【発掘80s】第1回 『ビデオゲームを探せ!』(1984)
ここは80年代好きの後追い世代による80年代に作られた傑作、あるいは忘れ去られているかもしれないけど傑作ではないかと思う作品をピックアップ(=発掘)して稚拙な感性ながらその魅力を紹介していくコーナーです。※文章は自身のFilmarksにおけるレビューを一部加筆&修正したものになります
第一回目となる今回は「E.T.」のヘンリー・トーマス少年主演で実は良作の「サイコ2」のリチャード・フランクリン監督によるサスペンスコメディの「ビデオゲームを探せ!」になります。
たまたま殺人事件を目撃したヘンリー演じる少年が被害者から託されたゲームソフト。そこには軍事機密が隠されていてスパイ達から追われてしまう・・というのが大まかなストーリー。少年には遊んでいるゲームの主人公である軍人がイマジナリーフレンドとして存在し、彼が色んなアドバイスをしたり励ましてくれるのが特徴。おそらく今作のターゲットとなる客層はヘンリー少年と同世代の小学生辺りと予測されますが、じゃあお子様ランチ的作風かと思えばそうではなく、窓やドアを突き破ったり車で少年を電話ボックスごと轢き殺そうとする追っ手達には子供相手にも容赦ない鬼気迫るものがあり、ある人物達の正体が意外だったり前が殆ど見えなくてぎこちないながらも車運転しちゃったり、女友達がヒッチコック監督「サボタージュ」の如く爆弾運んじゃったりとスリリングな驚きや見所は多めとフランクリン監督の本気度の高さが伺えるもの。
少年はバスから降りたいのに止まってくれない時はわざと吐きそうな演技をして降ろしてもらったり、追っ手を挑発して銃を撃たせもう一方の追っ手を撃ち殺してもらったりと機転がきくのもポイントで、友達を守りたいという気持ちが躊躇して出来なかった「銃撃」という行動そのもののトリガーとして機能しているのも好印象。
成長に伴うある「別れ」も用意されていますが、軍人と父親の風貌がそっくりなのが伏線になっているのはシュワちゃんの「ジングル・オール・ザ・ウェイ」的ベタながら爽快、そして感動的なエンディングでありまさに終わり良ければ全て良し。父親&軍人役はこれまた傑作コメディ「天国に行けないパパ」のダブニー・コールマンが演じています(今年5月16日に92歳で死去)。余談ながら劇中登場するゲームがアタリ社だからか、あるいはお遊びからかゲームショップに同社が発売していた「E.T.」のゲームのポスター(しかも日本版)が貼られているのにも注目です。
1984年当時の北米興行収入では82位というまずまずの成績を収めた今作(日本でウケた91位の「ストリート・オブ・ファイヤー」よりさり気無くヒットしてます)、日本では未公開で当時VHSが発売されたのみでしたが先日NBCユニバーサルの予約数が500枚以上になると商品化する企画で遂にブルーレイ化。これを機により多くの人に観てもらいたい作品です。ヘンリー・トーマス少年主演作なら「クエスト/伝説の冒険」もImdbでは点数が高く、こちらも過去にVHS化されたのみながら機会あれば観たい所。