【シネマもぐもぐ略してシネもぐ】その1 ピカデリー系列のフードを食べ尽くす!(2024年増補版)
映画館フードといえばポップコーンというのはもはや過去の話、シネコン中心に現在の映画館飲食売店(コンセッション)では実に多彩なフードが売られ、さながらちょっとしたファストフード店の様相を呈しております。・・・足りなくはないか?映画館フードのレビューが、たべログのような飲食時の参考になる記事が、あまりにもインターネットに足りなくはないかッ!というわけでこちらシネマもぐもぐ略してシネもぐ、映画館フードを全メニュー食べて五つ星満点で採点・レビューするコーナーでございます(なお、コーラやカルピスなど、店舗オリジナルではない商品はレビュー対象外です。どこも基本は同じ味のはずですし)
第1回となる今回食べ尽くしたのは新宿ピカデリーのフード。新宿ピカデリーはピカデリー系列の都内旗艦店のため、細かい違いはあるかもしれませんが、基本的には全国のピカデリー系列劇場も同じメニューになっているはず。それじゃあ早速食ってみましょう!もぐもぐ!
※2024年7月13日:追記あり
ポップコーン(塩/キャラメル)
価格 |
S:500円 M:580円 ハーフL:750円 ハーブソルト:660円 (※ハーフLは塩とキャラメルが半々) |
評価 ★★★ |
競合他社と比べて値段が高め。それでいて特徴的な味付けがなされているわけでも分量が多いわけでもないので、割高に感じる。ただし2023年11月現在ピカデリー系列のシネコンではテイクアウト販売を行っており、チケットの半券をコンセッションで提示すると塩MとキャラメルMのセットが600円で買える。テイクアウトのため場内にも持ち込むことができないが、家で映画鑑賞をする際にはなかなかお得。 追記:2024年のリニューアルでハーブソルト味が追加された。 (さわだ) |
フレーバーポップコーン (コンソメ/和風バーベキュー)
価格 |
630円 |
評価 ★★ |
紙袋に入ったポップコーン(Sより少し少ないぐらい?)に付属のパウダーをふりかけ、紙袋の口を閉じてシャカシャカと振ることで味を付ける方式。 ファストフード店でよくあるやつですね。コンソメは一般的な味だがバーベキューはやや辛みがあり、しっかりと満遍なくパウダーが混ざっていないとむせる可能性あり。いずれのフレーバーも塩味は濃く、それによってポップコーン本来の甘みや香ばしさが感じにくい点、紙袋提供なので食べる際に音が鳴りやすい点がマイナス。 追記:リニューアルによりサイズが少し大きくなった。 (さわだ) |
シネマグルメポップコーン(チョコ/キャラメル/マロン)
価格 |
650円 |
評価 ★★ |
フレーバーのコーティングが厚いためポップコーン感は薄く、ポップコーンを素材にした別のお菓子の印象が強い。一見キワモノのようだがどのフレーバーもお菓子としての完成度は高く、とくにキャラメルはポップコーンの塩味とキャラメルの甘みのバランスが絶妙。ただ量が少なく、やはり高いと思う。 (さわだ) |
プレミアムホットドッグ(プレーン/チーズ/カレーチーズ)
価格 |
プレーン:570円 チーズ:620円 明太バター:650円 |
評価 ★★★★ |
おいしい。パンズは表面をしっかり焼いたサクサク型ではなくフランスパン的なもっちり型で、ソーセージはほんのり辛いチョリソー系。パンズの甘みとソーセージの辛みがよく調和して、ソーセージにはしっかりとした肉感があるため、ゆっくり食べればこれひとつでわりとお腹が膨れる。音も出ないので上映中に食べやすい。 追記:2024年のリニューアルでカレーが終売、明太バター味が追加 (さわだ) |
フライドポテト
価格 |
塩:430円 ハーブソルト:580円 スパイシーチーズポテト:580円 |
評価 ★★★ |
至って普通のフライドポテト。量はマクドナルドのMポテトを一つまみ減らしたぐらい。塩味はやや控えめだが容器の底の方に塩が溜まってるので下にあるのはしょっぱい。ファストフード店のポテトと比べると割高とはいえ腹持ちが良くつまみつまみ食べられるのでシネコン映画のお供としてはなかなか有能。ただし喉はめっちゃ乾くのでトイレが近い人は注意した方がいいかもしれない。 追記:2024年のリニューアルでハーブソルト味、スパイシーチーズ味が追加 (さわだ) |
フレーバーポテト (コンソメ/和風バーベキュー)
価格 |
480円 |
評価 ★★★ |
提供方式はフレーバーポップコーンと同様だが、油気のあるフライドポテトの方がパウダーの馴染みがいいため、フレーバーを楽しみたいならこちらの方が向いている。 (さわだ) |
北海道 布袋のザンギ
価格 |
2個入り:640円 |
評価 ★ |
その場で揚げているためポップコーンなどと比べて提供にやや時間がかかる。揚げたてで提供されるのでさすがに衣はパリパリ、肉はふっくら。味付けは塩味が薄く鶏肉本来の甘みを引き出しており、おいしい。映画見ながらザンギなんか食ったら喉渇いてそれどころじゃないだろうと思ったが、これなら食べられそう。ただしやはり値段が高い。中くらいのサイズが一つと大サイズが一つの二個入りで780円はいくらなんでも。中サイズ4個入りで780円でも個人的には購入を躊躇する。 追記:2024年のリニューアルで価格変更。 (さわだ) |
チュリトス (シナモン/チョコ)
価格 |
440円 |
評価 ★★ |
サイズは30センチくらい。サクサクの衣にモチモチのドーナツ生地というオーソドックスなチュリトスだが、ほくほく温度で提供され甘塩っぱくてうまい。が、紙袋からちょっとずつ引き出しながら食べる都合けっこうガサガサ音が鳴るし、シナモンは一口食べる毎にパウダーがパラパラ落ちてしまうので、上映中に食べるとなると結構気を使う。コンビニのホットスナックなら良いけど映画館スナックとしてはどうなのだろう。カロリーも気になる。 (さわだ) |
職人こだわりのロングコロネ(チョコ/カスタード)・こおるコロネ(チョコ/カスタード)
価格 |
こおるコロネ:550円 |
評価 ★★ |
パン生地はフランスパン風の歯ごたえでそこらへん職人のこだわりを感じるが中のカスタードはトロッ系ではなく固めでちょっと安さを感じる。中がトロトロだとお尻から(※コロネの)垂れてきてしまう点を考慮したのかもしれないが、職人こだわりのと銘打ち590円も取ってるんだからそこは拘ってほしかった。サイズは20センチくらい。それほど美味しいわけでもないし、映画鑑賞中のおやつにも適さない。 追記:2024年のリニューアルでロングコロネが終売、アイスコロネに変更された。それに伴い前回評価「★」から「★★」に変更。 (さわだ) |
スティックミルクレープ
価格 |
550円 |
評価 ★★★ |
細長い形状になっている以外はわりと普通のミルクレープ。味に個性はないが鑑賞中に食べることを想定してスティック状になっており、容器も切れ目が入れやすい作りになっているので、手を汚したり音を立てたりすることなく食べやすい。コンビニ等のミルクレープと比較すればやや高めの価格設定ではあるものの、シネコンフードとしてよく研究されたと思われるいぶし銀の一品。 (さわだ) |
玉林園ソフトアイス(バニラ/抹茶)
価格 |
500円 |
評価 ★★ |
量はコンビニで売ってる一般的なカップアイスと同じくらいか、ややそれより少ない程度。カップで提供されるため食べながら映画を見ても服に垂らしてしまうことなどはないと思うが、この量で500円は割高感が目立つ。味自体は引き締まった甘さとコクのある上品なもので、おいしい。せめてカップかコーンか選べたら、と思う。 (さわだ) |
ごろっと果肉のフルーツソーダ
価格 |
550円 |
評価 ★★★★ |
2024年7月時点での中身はソーダにパッションフルーツ、パイナップル、ナタデココを加えたもの。見た目は刺激が強そうだが炭酸は弱く、果肉も一つ一つが小さいので、口当たりはかなりソフト。酸味よりも甘味の方がだいぶ強い。普通に飲んでると果肉が大量に容器内に残りがちなので蓋を開けて食べないといけないのが難点だが、価格も良心的で頼みやすいドリンク。 (さわだ) |
総評:全体的に割高感がある
ピカデリー系列の会員制度はおそらく競合シネコンの中でももっともお得度の高いもので、いろいろルールはあるものの入会すれば基本は毎回1400円で映画が見られる。そうした割安なチケット料金の埋め合わせなのかコンセッションメニューは全体的に割高であり、たとえばポップコーンのSサイズはTOHOシネマズが370円、新宿バルト9(T-JOY系列)は400円であるのに対し、ピカデリー系列ではSサイズが500円となっている(2023年11月現在)。ザンギや高級ポップコーンなどユニークなメニューは面白いが、映画のお供としては少し買いにくい価格設定であることは否めない。
ピカデリー系列でもうひとつ特徴的なのはオリジナルドリンクを取り扱っていないところ。新宿ピカデリーに関して言えばコンセッションとは別に各階にペットボトルの自販機が設置されているため、ドリンクの選択肢自体は多いものの、とはいえ劇場オリジナルドリンクがないのは少し寂しい。個人的には、映画館で映画を見る時は多少割高でもコーラやカルピスといったどこでも飲めるドリンクよりもオリジナルドリンクを飲みたいので、フードの値下げが難しいのならせめてオリジナルドリンクの開発を進めてほしいところです。さぁて、次の映画館を食い尽くしに行くか!もぐもぐ!
総評(リニューアル後):全体的にパワーアップ!
ピカデリー系列の旗艦店、新宿ピカデリーでは2024年6月にコンセッションの全面改修が行われ、それに併せてメニューが一部変更、ロビーには飲食スペースが新設された。最大の変更点は新商品の「ごろっと果肉のフルーツソーダ」以外のドリンクがセルフ・おかわり自由のドリンクバー(500円)に変わったことで、これはコンセッション人員の削減と負担軽減という経営合理化の一環と考えられるが、観客の側でも待ち時間の短縮やおかわりできる等のメリットがあり、値段もそう高くなったわけではないので、映画館側と観客側の双方にとって嬉しい判断と支持したい。
そのほか、どうもテアトル系列のコンセに触発されたのではと思われる新商品の数々も悪くなく、以前はなかった劇場オリジナルドリンクも追加され、今回の改修によって新宿ピカデリーのコンセッションは総じてパワーアップしたと言える。他のピカデリー系劇場でも同様の設備改修やメニューの追加をぜひともやってもらいたいところだ。