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あの映画のあれ

【あの映画のあれ】あれ2 韓国映画に出てくる日本語と同じ発音のあれ

韓国映画を日本語字幕で見ていると「あれ、いま字幕に書いてある名詞をそのままハングルで言わなかった?」と思わされることがあります。英語の映画では一部の英語化した日本語を除けばそんなことはまずないので、よく考えたらこれはちょっと不思議なことじゃないでしょうか。ということでさっそくインターネットを駆使して韓国映画に日本語と同じ意味・発音の言葉が度々登場する理由を調べてみました。

結果、タイトルに惹かれてこの記事を開いていただいた人には大変申し訳ないのですが、よくわからなかった・・・。ただそれは原因が一つに特定できなかったということで、どうやら韓国映画に日本語と同じ言葉が出てくることがある理由は複数あるようです。一つは日本語も韓国語も同じ中国語を基にして作られたものだからという説。韓国語はハングルと漢字から成り、この漢字の中で読みが中国語と同じもので、かつ日本語でも中国語と読みが同じのものは、発音に多少の違いはあっても同じように聞こえるというわけです。

もう一つは大日本帝国による朝鮮併合の影響という説。大日本帝国は日露戦争後の1910年~太平洋戦争敗戦の1945年までの35年間に渡って現在の韓国を含む大韓帝国を植民地支配し、それに伴って創氏改名といい韓国の人に日本人名を与えたり、日本語を韓国の母語とする総督府方針に従って小学校で日本語が必修化されたりしたそうです(学校教育全体も日本と同等のカリキュラムが導入されるなど日本化されたらしい)

いま一つは日本にとっては戦後の、韓国にとっては独立後の文化交流によって、日本語が韓国に外来語として流入したという説。日本の戦後にスターとして活躍した人の中には力道山や松田優作など在日朝鮮人の人も多かったので、これもあり得そうではありますが、ただ逆に韓国語由来の名詞が日本語化して定着している例は思いつかなかったので、文化交流による外来語の定着ならそんなに不均等になるかなぁと思ったりもします。

というわけで三つ説が出てきました。その中であくまでも個人的にですが注目したいのは大日本帝国による日本語教育の名残り説。35年と期間が長いですし、大日本帝国の支配下にあった当時の韓国の人にとって日本語が出来るか否かは生活に直結する問題だったので、その世代の韓国の人によって話されているうちに韓国語として定着した日本語名詞があってもおかしくないかなぁと思います。この時代の日本語教育の様子が垣間見られるのがパク・チャヌク監督の『お嬢さん』。また、『KCIA 南山の部長たち』というイ・ビョンホン主演の映画には、時の権力者パク・チョンヒ大統領が側近たちと日本語で会話をするという場面が登場します。1917年に生まれたパク・チョンヒは日本語を母語とするよう教育されてきた世代。そのためこの映画では、おそらく独裁者チョンヒを旧時代の遺物として印象づけるために、こうしたシーンが描かれたのだと思います。

大日本帝国の敗北と解体を受けて1948年、連合軍統治下にあった南朝鮮地域が現在の大韓民国(韓国)として独立、同年ソ連統治下にあった北朝鮮地域も朝鮮民主主義人民共和国(北朝鮮)として独立を果たします。ふだんあまり意識はしませんが、実は韓国も北朝鮮も世界的にはとても新しい国。諸説ある韓国映画に日本語と同じ言葉が出てくる理由ですが、いずれにしてもその背景には朝鮮半島の歴史が透けて見え、そこから韓国の歴史に思いを馳せてみても面白いかもしれません。

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ゆるふわ映画感想ブログ映画にわか管理人。好きな恐竜はジュラシックパークでデブを殺した毒のやつ。Twitter→@eiganiwaka