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たまに面白い映倫

【たまに面白い映倫】第25報 『HUNGER/ハンガー』と『甘い鞭 ディレクターズロングバージョン』

〈このコーナーはたまに面白い映倫の年齢区分指定理由や文章表現などを紹介するコーナーです〉

めぼしいネタがなかったので今回は10年前の2014年1月~4月までの映倫テキストから興味深かったものをピックアップ。引用はいずれもhttps://www.eirin.jp/から。

HUNGER/ハンガー

1982年北アイルランドのメイズ刑務所に投獄された急進派組織IRAの一人の闘士は政治犯として認めないイギリス政府に対してハンガーストライキにより抵抗する。実際の出来事をドラマ化した作品。刺激の強い、銃による肉体損壊・出血飛散、並びに男性の性的ではないフルヌードの描写がみられ、標記区分に指定します。(1時間35分)

この作品はR15指定を受けたのだが、その主たる理由と思われる「刺激の強い、銃による肉体損壊・出血飛散」よりも副次的な年齢制限理由として挙がっている「男性の性的ではないフルヌード」の方が気になる。おそらくエロい感じには撮っていないということなのだろうが、いかに真面目に撮っていたとしても全裸は全裸、エロはエロではないだろうか。というかそんなもの映画を見る側の受け取り方でいかようにも性的になるのではないだろうか・・・?それともよほど性的な魅力を感じさせない全裸なのだろうか。たしかに、90歳の老人が全裸で徘徊していてもエロいッ!とは思わないからね・・・いやっでもそれも匙加減っていうか個人の感覚じゃない!?老人フェチ的な人もいるだろうし・・・。

甘い鞭 ディレクターズロングバージョン

高校生のとき隣家の男によって地下室に拉致監禁され1か月間弄ばれた奈緒子は、その男を殺害して帰宅、トラウマを抱えたまま成長し、現在は評判の不妊治療医として働く傍らで、夜はSMクラブの売れっ子M嬢のセリカとして接客していた。文芸官能ドラマ。大人向きの作品で、極めて刺激の強い未成年者も係る性的攻撃、性的暴力、SMプレイ、緊縛責め、鮮血ヌード及び殺傷の描写がみられ、標記区分に指定します。
(*ブルーレイ、DVD、ほか二次市場向け作品。)(2時間25分)

こちらはR18指定。「極めて刺激の強い未成年者も係る性的攻撃、性的暴力、SMプレイ、緊縛責め、鮮血ヌード及び殺傷」と年齢制限要素盛り沢山で、「SMプレイ」と「緊縛責め」が被っているあたりから、何が何でもこの映画はR18にしたいという映倫の強い意志が伝わってくる。「性的攻撃」というよくわからない表現も面白いがとくに「鮮血ヌード」にグッとくる。返り血を浴びた裸体という意味だろうが、「出血飛散」でも「女性のヌード」でもなく「鮮血ヌード」。一見なんでもないワードも二つ合わされば謎の魅力を発するから不思議である。この作品は日本映画界きっての鬼才であった石井隆監督の最後から二番目の作品。その後、監督は2022年にがん闘病の末に亡くなった。『甘い鞭』は女性の痛みと男性の加害を強い自罰意識をもって仮借無くしかし思慮深く描き続けた石井監督の入魂作で、この映倫文を読んでいたら久々に見たくなったので、映倫ありがとう。

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ゆるふわ映画感想ブログ映画にわか管理人。好きな恐竜はジュラシックパークでデブを殺した毒のやつ。Blueskyアカウント:@niwaka-movie.com