MOVIE TOYBOX

映画で遊ぶ人のためのウェブZINE

ウチだって社会派だぜ!!

【放言映画紹介 ウチだって社会派だぜ!!】第17回 26億頂き男子!?水原一平のセカンドキャリアについて考える

  国民的英雄・大谷翔平にまさかのトラブル発生である。
 渡米して以来、二人三脚で大谷をサポートしていた水原一平通訳がなんと26億円もの金額を大谷から横領していたというのだ!

 事件発生時、水原は「大谷がスポーツ賭博でできた借金を肩代わりしてくれた」「大谷は何も知らない。自分が勝手にやった」など証言を二転三転させており、水原は大谷を庇ってるんだ!などという大谷黒幕説まで噂されていた。彼の野球人生もこれまでか!?と日本中の野球ファンは気が気でなかったことだろう。

 その後のFBIの捜査によると、大谷は水原に口座の管理をまるっと任せており、借金・横領については何も知らなかった・・・というセンに落ち着きつつある。裁判はまだまだこれからなので、色んな事実関係については法廷で争うことになるのだろうが、とにかく水原(以下、一平)がギャンブルでとんでもない額の借金をこさえてしまった件は間違いないようだ。

 一番の問題は彼の今後である。一部報道によると4060万ドル(約62億円)もの負債を抱えているらしい・・・一体どうやって返すのだろうか?

 自己破産するにしても一平はまだ三十代である。ローンが組めない!クレカが使えない!デメリットがあまりにも多すぎるのではないか!?我々MOVIE TOYBOX執筆陣一同は一平に自力での完済を求めていく所存でございます!(勝手に一同って書いちゃった。)

 ちなみにアメリカでは騒動の直後、パフ・ダディが人身売買疑惑でプライベートジェットで逃亡するという、これまたスケールの大きな事件が発生し、水原事件は一瞬で忘れ去られたという。 

 アメリカって人材、いや人罪が豊富すぎる。


 というわけで今回は一平のセカンドキャリアについて考えてみたいと思います。通訳としてのキャリアは絶望的だが、もう一つ英語能力を生かせる仕事があるではないか!

 一平よ、映画字幕の世界に来い!!!

一平、借金完済への道

①お金を払って一平に映画字幕をつけてもらうオーダーメイド字幕サービスを始める。

 皆さん!見たい映画があるのに日本語字幕がない!話が分からない!そんな経験ありますよね?

 一平がいればもう安心です。クライテリオンのDVDにお金を添えて、一平に送ればあら不思議♪いつのまにか日本語字幕が付いているのです!

 一平はオンラインカジノができないよう、ネット環境のない山奥の小屋で蓮實ゼミの学生のごとく映画漬けの日々を送ってもらいましょう。なんならやらかした者同士、東出昌大の小屋でも良いだろう。

 ちなみに字幕作成の料金は10分で1万円が相場らしい。仮に本編が100分とすると、一本で10万円の報酬である。毎週1本ペースで作業したとしても、完済まで1,189年かかる。

②クラウドファンディングで一平支援プロジェクトを立ち上げる。
日本中のミニシアターの受付に募金箱を置き、集まった小銭を一平の生活費とする。

 コロナ禍で経営が厳しくなったミニシアターのために、諏訪敦彦・深田晃司をはじめとする名だたる映画人が「SAVE THE CINEMA」なるプロジェクトを立ち上げていたが、今こそクラウドファンディングで「SAVE IPPEI」プロジェクトを立ち上げるべきではないか!?

 募金・クラファン・署名・不買運動・デモ、ありとあらゆる方法でパレスチナを救わんとするように一平のことも救ってみせようではないか!

 なんなら全国の小学校に野球グローブを贈呈した大谷に習い、募金箱を置いてくれたミニシアターにはお礼としてグローブを2個ずつ送ってみるというのはどうだろうか。もはや何の活動なのかよくわからないが・・・

③活動弁士となり、日本全国を行脚して未公開映画を上映する。

 『オッペンハイマー』(23)の日本公開はやたら遅かったが、活動弁士に転身した一平がいればもう心配ありません。人類のために天界から火を盗んだプロメテウスのように、公開前映画も米国アマプラ経由で上映・解説してくれるでしょう。

 柳下美恵のピアノの伴奏に合わせ、歌と踊りといなせなアメリカンジョークを飛ばす一平がいれば劇場は大盛り上がりすること間違いなしであろう!

④ユーロライブで水原一平映画祭を開催し、収益を借金返済にあてる。

 渋谷のユーロライブではイスラーム映画祭やサム・フリークスなど、個人主催の映画イベントもさかんに行われている。ここは有志一同で水原一平映画祭を開催し、収益を一平のお小遣いとして寄付してみるというのはどうだろうか。

 というわけでウチが選ぶ一平映画祭のラインナップは以下になります。

『クイーン・オブ・ダイヤモンド』(1991)ニナ・メンケス
一平よ、クソなギャンブル業界でもそれを支える名もなき労働者たちがいるんだぞ。

『麻雀放浪記』(1984)和田誠
一平よ、ギャンブルなんて胴元がお膳立するごっこ遊びなんだから本物の勝負じゃないんだぞ。

『木靴の樹』(1978)エルマンノ・オルミ
おそらく一平の人生と最も遠い映画

『ネクスト・ゴール!世界最弱のサッカー代表 0対31からの挑戦』(2014)マーク・ブレット&スティーヴ・ジェイミソン
一平はスポーツ賭博で大負けしたらしいが、一体どんな弱いチームに賭けていたのか気になります。

『アルカトラズからの脱出』(1979)ドン・シーゲル
我々MOVIE TOYBOX一同は一平が刑務所送りになった場合、スプーンとフォークを送り一平の脱獄を応援します!ハッシュタグは #獄中の一平に連帯します #一平の脱獄を支持します

『ゴールデンカムイ』(2024)久保茂昭
一平の体に彫られた刺青暗号を解くと、ペンタゴンが浮かび上がる。


 ・・・どうだろう。我ながら完璧な計画である。一平が日本に紹介した映画は「水原一平の白紙委任状」として永遠にシネフィルたちから感謝されるであろう。

 報道によると一平は大谷以外のチームメイトからの信頼も厚く、対人関係において極めて要領がいい奴との印象を受けた。戸田奈津子亡き後の「トム番」を任せられるのは一平だけである。

 一平よ、大谷の次はトムを狙え!

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です

ゲームって映画よりも面白れぇな~