【映画で解決!捏造お悩み相談室】第15回 Q「サイバーセキュリティが学べる映画を教えてほしい!」
悩み事の尽きない現代社会を生きるのは大変なことです。ことにその悩みを打ち明ける相手がいない、打ち明けても有効な解決策が出てこないという場合は尚のこと。でも大丈夫、そんなあなたのお悩み、きっと映画が解決します!
ニコニコ!どうしようニコ!困ったニコ!なんと我が社の親会社のシステムがランサムウェアを含むサイバー攻撃に遭ってダウンしてしまったニコ~!名前は言えないニコけど弊社の親会社は出版業界では大手に属する企業ニコ!出版はもちろん動画配信サイトや映画製作も行っている大企業ニコなのに攻撃はシステム全体に及んでシステム再構築に一ヶ月、その間主要業務はほとんど止まってしまって被害総額は甚大という現代の三億円事件のような大惨事だニコ!どうやら正体不明の犯人の攻撃はシステムの中枢に及び、データセンターの中央サーバー群が陥落したことでシステム全体がダウンしたようでニコね!サーバーの遠隔操作を防ぐための最終手段として電源系統の物理的抜線を行い、新たな感染経路となりかねないため社員の出社も停止するという前代未聞の展開に戦慄だニコ・・・お悩み相談室さん!どうか二度とこんなことにならないようにサイバーセキュリティが学べる映画を教えてほしいニコ!おねがいしますニコね!
東京都中央区銀座歌舞伎座タワー 藤崎瑞希
なんと!そんなことが起こっていたとは!それは大変でしたね!まずはお疲れ様です!サイバー攻撃!この言葉に馴染みのない人も多いでしょうが、今やサイバー攻撃は社会全体で対策を練るべき喫緊の課題です!中でもシステムを暗号化してアクセス不能にし、解除キーと引き換えに金銭を要求するランサムウェア攻撃は言ってみればデジタルに形を変えた身代金誘拐、先日も主要病院で医療サービス中止、請負業者へのランサムウェア攻撃 英ロンドン(CNN)という事件があり、この事件ではランサムウェアにより病院のシステムが内部からアクセス不能になったため、病院は機能停止し手術などが行えなくなったというから恐ろしい話!サイバー攻撃はしょせんサイバー攻撃、なぁに命に別状はないさと笑っているそこのアナタ!もはや時代はサイバー攻撃によって場合によっては個人情報流出ぐらいでは済まず死者が出るかもしれないというサイバーパンク時代に入ったのです!
それをKADOKAWAおよび傘下のニコニコ動画の全面的システムダウンの事例が示してくれたわけですが・・・あれ、これは言っちゃいけなかったかな?まぁいいか、ともかく、そんな時代を生き延びるにはKADOKAWAさんだけではなく我々も自己防衛が必要です!といっても難しいコンピューターの話などわからない!きっとそんな人は多いに違いありません!が、サイバー攻撃対策は必ずしも難しく専門的なものばかりではありません!むしろ誰でもできるようなごく簡単な対策を日常的に行っておくことこそ最大のサイバー攻撃対策と言っても過言ではないのかもしれません!そのことがよ~くわかる映画がコチラ!
実際に起こったクラッキング(ハッキングでデータを盗み出したり改ざんしたりすること)事件を題材に犯人のケビン・ミトニックとFBIに協力を要請されたコンピューター・サイエンティストの下村努(ノーベル化学賞を受賞した下村脩の実子)の闘いを描くハッカー映画の代表的作品!ハッカーといえばSF的なイメージもありますがこの映画はあくまでも実話に基づくとあって主人公のハッカー、ケビン・ミトニックは地に足のついた泥臭い人物として描かれ、その攻撃手法もまた現実的!
たとえば取引先の担当者のふりをして会社に電話をかけてまんまとハッキングに必要な情報を盗み出す!ゴミ袋を漁ってその中から会社のコンピューターにアクセスするためのパスワードを盗み出す!これらは現実的というよりも原始的といっていいほどだ!しかし!原始的だから脅威にならないということはまったくない!現にケビン・ミトニックはこうした手法によってサンディエゴ・スーパーコンピュータ・センターというコンピューター・サイエンス分野の先端施設にさえ侵入を果たすのだ!
昔の話と笑ってなどいられない!実はこうした手法は今もってクラッカーの主要な攻撃手法でさえあるのだ!たしかに電話で取引先を装うケースは今ではあまり見られないかもしれない・・・が、取引先からのメールを装ったクラッカーからのメールの添付ファイルを開いたことでウイルスに感染!こんな話を聞いたことがある人は少なくないんじゃないだろうか!ログインパスワードを書いた付箋をパソコンの横に貼ってでもいれば巡回清掃員に見られて社内ネットワークに侵入されるかもしれないし、その付箋を捨てるときに水で溶かすとかシュレッダーにかけるとか面倒な対策を行っていなければ、ゴミ袋はクラッカーにとって宝の山となるだろう!
サスペンスフルなタッチで息詰まるハッカー攻防戦の描かれる『ザ・ハッカー』は同時にサイバーセキュリティの基礎を教えてくれる教科書でもある!はたしてKADOKAWAのネットワークがどこからどのように侵入されシステム全体が制圧されるまでに至ったかは今の段階ではわからない!でも東京都中央区銀座歌舞伎座タワーの藤崎瑞希さん!メールの添付ファイルを開ける時には注意するとかゴミを捨てる時は注意するとか、コンピューターのことがよくわからない我々でもできるサイバー攻撃対策はあります!ニコニコ動画が復活した暁には『ザ・ハッカー』無料放映などを行ってみてはいかがでしょーか!
※質問は完全に捏造なので応募とかしてこないでください。