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たまに面白い映倫

【たまに面白い映倫】第4報

〈このコーナーはたまに面白い映倫の年齢区分指定理由や文章表現などを紹介するコーナーです〉

今回取り上げる二作品はおそらく既に公開を終えた少し古い作品なのだが(といっても今年公開だが)、区分指定理由がなかなか興味深かったので今更にはなるが報告したい。どちらも年齢区分はR15。                                                                                                                                        

ピストルライターの撃ち方

原発利権を貪るヤクザの使い走りをする達也とムショ帰りの親友・諒、出稼ぎ風俗嬢のマリ。寄る辺なき三人の奇妙な共同生活の行き着く先は……。社会派群像劇。麻薬の服用に伴う陶酔感や妄想の描写がみられ、標記区分に指定します。(2時間)

https://www.eirin.jp/

これが面白いのは「麻薬の服用に伴う陶酔感や妄想の描写」というところで、どうもこれ最近の映倫の傾向のようなのだが、麻薬使用を肯定的に描くか否定的に描くかで対応が分かれるらしい。否定的に描く映画ならある程度審査はゆるく、逆に少しでも肯定的に描く映画なら審査はきびしくなる。

この「肯定」には麻薬使用者の主観的な体験の描写が含まれるらしく、つまりラリってる人を客観的に映すならそれは薬物使用に否定的か中立的な描写で、麻薬使用者の幻覚なんかを描くと肯定的な描写の範疇に入るらしい。こうした理由でR15指定になった最近の有名な作品は『わたしは最悪。』で、この映画には幻覚剤の効果で主人公が悪夢めいた幻覚を見るシーンが2分程度あるだけなのだが、それでもR15指定になってしまった。

聞くところによれば現在の映倫はこうした薬物使用の描写に関しては厳しくなっているものの、いわゆるゴア描写などにはゆるくなっているようで、時代と共に危険視される表現も変わるものだなぁとなんだかしみじみ。

Requiem for Poets and Dogs

屋上を占拠する雑多なホームレス集団。人生の苦難と戦う名もなき者たちは、愛を語り人生を語った。まるで世界の終末の夜であるかのように……。ドラマ。「食人」に伴う刺激の強い肉体損壊の描写がみられ、標記区分に指定します。(1時間19分)

https://www.eirin.jp/

「刺激の強い肉体損壊の描写」だけならR15指定の理由として特筆すべきところはないのだが、わざわざ「食人」にカギカッコがついているのが怪しい。なぜカギカッコ付きなのか。それはいったいどんな「食人」なのか。というか、「食人に伴う」などと書かずに普通に「刺激の強い肉体損壊の描写」だけでも良かったんじゃないのか? それともカギカッコ付きで「食人」を書き入れざるを得ない理由でもあるのだろうか。タイトルもあらすじも、年齢区分指定理由までなんだか謎めいた、なかなか気になる作品である。

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ゆるふわ映画感想ブログ映画にわか管理人。好きな恐竜はジュラシックパークでデブを殺した毒のやつ。ツイッター@eiganiwaka