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博多ゾンビ紀行

【博多ゾンビ紀行】第10回 ゾンビのうまみ満載!『ブラッド・ブレイド』 

どうもこんにちは、ハカタです

僕は今までゾンビ映画を観まくる理由について「観づらくなる前に観るため」だとか「ジャンルの限界を知るため」だとか「面白いものを観るため」などと説明して来たが、よくよく考えたらこれらは「一つのジャンルに病的に固執するムーブをする理由」であって「なぜゾンビなのか?」については全く説明出来てないことに気づいた。
そこで改めて考える、なぜゾンビ映画を観るのか?その理由・・・つまりゾンビ特有の旨味、それがいい感じに入った映画がある、それが『ブラッド・ブレイド』だ

これがどういう映画かと言うと、人間が凶暴化する謎のウイルスが発生した世界で一部の免疫を持つ人々を中心に生き残りが集まり集落を形成していたが、免疫を持たない人間に排他的な派閥が存在するなどの問題を抱えていて・・・というまさしく王道な映画だ

まず目に着くのはハードなドラマ性だ。
序盤、登場人物らの日常を描き人間性やそれぞれの関係性などを説明しつつ、動く魚の死骸や などの一つ一つの現象を積み立てながら世界が、我々が当たり前にあると思っている足元が崩壊していく様をじっくり描いていく。まずここでワクワクがあふれ出して止まらない。

風刺要素がしっかりあるのも特徴だ。この映画のゾンビ設定には一つ特殊な設定がある、それは先住民の一族にだけウイルスに対して免疫があるということ。つまりここで今までマイノリティだった人種のパワーバランスが一気に逆転するというアイロニーがあり、それがまたしっかりとドラマを展開させていくのが面白い。

そしてやっぱり欠かせないのがゴア描写!この映画は相当に容赦が無く、チェンソーや刀を駆使し、血は出る、脳も飛び散る、身体は欠損する、ついでに内臓は出る、でもう最高!
全く隠しはせず、ギャグでもなく、チープでもない、ここまでハード&ゴアな作風なのは現代では珍しいかもしれない。先ほど述べた免疫設定が逆に少し噛まれても怯まない豪快なアクションを生んでいるのが素晴らしい!

そんな免疫持ちでも無敵では無く大量のゾンビどもに襲われ腹を裂かれてしまえば流石に死んでしまうというのも示され緊張感を削がないので抜かりはない。
さらに終末世界の膠着感がまた沁みる…そんな世界の絶望と微かな希望を感じさせるラストに、ここまでのハードなドラマが効いてくるのだ。
90分台でスパッと終わる潔さも忘れちゃいけない、この短さがハードな内容ながら手軽に観れる娯楽としての良さを生んでいる。

つまりこの映画には人間ドラマ、風刺、ゴア、アクション、そして世界崩壊のゾクゾク感が90分という短めの時間の中にミッチリ詰まっている、そしてそれらの要素こそがまさにゾンビ映画の魅力と言えるのではないだろうか。

ゾンビものが好きなら絶対にオススメな映画だと言える。Amazonプライム・ビデオやU-NEXT等で見放題配信中なので是非。

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