【放言映画紹介 ウチだって社会派だぜ!!】番外編①菊川Strangerで食レポしてみた
東京都墨田区に新しいミニシアター、菊川Strangerが誕生した。昨年11月の開業後にさっそく訪れてみたのだが、他の名画座・ミニシアターとは一味違う個性が感じられる映画館である。館主岡村氏のインタビューによると、きょうび映画館だけではどう頑張っても赤字なので、ロビー内に併設されたカフェやグッズの収入を合わせて黒字を目指す作戦らしい。特にカフェ経営に力を入れているらしく、映画館スタッフ全員がバリスタ資格を持っているらしい。
しかし、ツイッターでこんなつぶやきが流れてきた。
まあ・・・名画座とかミニシアターによくいるジジイ客はカフェラテとか絶対に飲まなそうではある。ジジイが唯一金を払う飲み物といえば、鶴瓶の600ml麦茶くらいであろう。(偏見)
というかStranger行きましたツイートはたくさん流れてくるのに、Strangerで何々を食べました飲みましたツイートは一向に流れてこないような気がする。カフェ部門のツイッターやインスタもあるのだが、どちらも具体的なメニュー紹介がないので、いまいちどういう雰囲気なのかよくわからない。というわけで、映画ついでにStrangerカフェで色んなものを食べてきたのでご紹介させて頂く。
①ポークサンド&フレンチフライ 価格:忘れた
まずは基本のセットメニューを味わうことにした。こういうおしゃれなカフェめしは基本的に量が少ない。自分のようなデブはガッカリしないよう、あらかじめメニュー写真に写っているマグカップや皿の比率から料理の大きさを割り出す高等テクニックを駆使すること多いのだが、このサンドセットを頼んどけばそんな心配はご無用である。
ポークサンドはフカフカのバンズにポーク・ネギ・クリームチーズ・赤キャベツ等が挟まれており、具沢山で満足できる量であった。味はというと、ハーブの香りがかなり強い。おそらく魚料理などに使われるディルが入っていると思う。(多分ディルだと思う。間違ってたら恥ずかしい)甘くスモーキーな香りである。また、バンズに塗られたバターがちょうどいい塩味のアクセントになっている。
フレンチフライはマクドナルドのフライドポテトと同じくらいの太さ・長さだったが、油でしんなりしたマックポテトと違いサクサクしていて軽いお味である。胃もたれせず永遠に食い続けられそうなおいしさだ。まあ、ウチは強いデブなので胃もたれとか関係ないんですが。
②自家製スパイシーレモネード 価格:600円
飲み物で頼んだヤツ。ほろ甘苦い味わいで、炭酸が苦手なウチでもおいしく飲める泡加減だった。
近所のまいばすけっとで売ってる「ほろよい」みたいな甘い系チューハイなんかよりも全然おいしい。(貧しい褒め方ですが!)てかこの量で円は結構安いと思う。吉祥寺とか恵比寿とかおしゃれタウンにあるカフェで飲んだらプラス100円~200円はかかりそうだ。とはいえ水に600円は高いだろと言われれば、それはそうなのだが・・・。
いくらおいしくても映画観賞前に水分を大量に取るのは危険な行為である。膀胱をすごろくで例えると(変な日本語)、冷たいものをぐびぐび飲むのは連続で「6」の目を出しているようなもので、一気にゴール(失禁)まで近づいてしまう。生まれつき膀胱すごろくが異様に短くスタートからゴールまでの距離が13マスくらいしかない人や、冷たいものを飲むとおなかを壊す人はやめておこう。まあ、ウチは膀胱も強いデブなのでぐびぐび飲みますが。
②ガンボスープ 写真:取り忘れ 価格:忘れた
サイドメニューその2。ガンボというのはアメリカ中西部でよく食べられている、オクラにシーフードを加えたとろみのあるシチューのことである。日本人にとってはあまり馴染みのない料理だが、アメリカ中西部人にとっては味噌汁なみに定番中の定番である。ニューオーリンズが舞台のディズニー映画『プリンセスと魔法のキス』(10)では、子供時代のヒロインと父親が一緒にガンボを作る場面があった。
余談だがガンボには小麦粉・バターをベースとしたクレオール風と、小麦・ラードをベースとするケイジャン風の2種類があるのをご存じだろうか。クレオール風はさらっとしたトマトスープ風のシチューで食べやすく、都会に住む白人層に好まれるような洗練された雰囲気だ。
反対にケイジャン風は田舎の黒人によって作られてきたソウルフードである。スープは茶色くドロッとして濃厚な味わいで、ナマズやザリガニなど変な具が入っていることもある。
どうも昔の黒人家庭は冷蔵庫を買えなかったため近所の沼地で取れる食材を活用したり、白人にしか買えない高級食材(バター)を別のもので代用する必要があったので、こういう味付けになったそうだ。
スープ一つとってもこのように白人と黒人の分断があるのだから、アメリカというのは大変な国だなあ。
さて話を菊川Strangerに戻すが、こちらのガンボはクレオール風で日本人が食べやすい味にアレンジされている。最大の特徴はピーマンが入っていないことだ。(多分)セロリ・玉ねぎ・ピーマンの組み合わせは中西部の郷土料理において「聖なる三位一体」と呼ばれるほど欠かせない食材であるが、ピーマン嫌いの人も多いのであまり気にしないことにする。ウチが食ってて気づかなかっただけで本当はピーマン入っていたらごめんなさい。
味はまあ本当に普通のトマトスープという感じで、ウチのようなエスニック大好きっ子にはやや物足りなさがあるものの、ガンボ入門編としては悪くないだろう。何より日本でガンボを出す店はレアなので注文してみる価値はある。まあ本当に普通のトマトスープの味なのだが。
以上がStrangerで食べたものである。どのメニューも完成度が高いので一食の価値あり。席数が少ないので飯時はテーブル席に座れない可能性が高いのがネックだが、みんなも是非菊川Strangerでのお食事を楽しんでほしい。
もしここで食えなくても、横断歩道渡ってすぐのところにドトールがあるのでいくらでも暇つぶしできるよ。