【網走シネマ矯正院】第4回『MEG2 ザ・モンスターズ』
異常気象だ暑いッ! 山へ行けばよかったッ!
夏といえば海…海といえば水着ギャル…食われる水着ギャルといえばサメ!
夏にふたり以上で海に行く奴はサメの餌になるという昔からの言い伝えがございます。
本日は、今夏最もアサイラムしている怪獣映画『MEG2 ザ・モンスターズ』から得た学びをお送りいたしますわ!
ステイサムという怪獣が海獣の王となる
地球上で最も深いマリアナ海溝、人類未踏の海の底へと探査する海洋研究チームは前作にて「MEG」ことメグ・ライアンではなくメガドロンと遭遇。スポンサーや船をぶっ壊されながらもステイサムの手によって屠られたのだった。
施設長だった父および優秀な研究員であった姉355ファン・ビンビンを失った弟こと戦狼ウー・ジンは、ふたりの跡を継いで施設長となり、海洋探査に必要な品を開発しながら探索を進めていた。
新たなスポンサーも見つかり、施設および海上拠点マナ・ワンはさらなる発展を遂げ、更にはメスのMEGも捕獲していた。
ステイサムはおしゃまに育ったメイインの保護者となりながら、MEGを葬った男として笑顔やにらみ顔をSNSへ披露する。いつも通り、海底探査へ向かった潜水艇はどこの馬の骨とも知れぬ海底ステーションを発見する。時同じくして、巨大な檻にて飼われていたメスMEGことハイチが脱走し、海底へと泳ぎを進めた。
海底ステーションを作ったのは誰か、そしてその目的とは。脱走したハイチは何を求めているのか。ウー・ジンのカンフーは拝めるのか。
ステイサムvsメガドロン第二弾!
ベン・ウィートリーの笑顔が透けて見える
【中国資本+ステイサム+サメ】という三種のチーズ乗せ牛丼的盛り合わせが案外アッサリしていた前作に比べ、今作は【中国資本+ステイサム+サメ+ウー・ジン+ベン・ウィートリー】という悪魔的掛け算が炸裂。人が愉快に死ぬのを楽しむ人でなし映画として輝いておりました。
サメ映画なのに食われる人間が少ねえという前作の不満を今作は見事に払拭し、更には『ディープ・ブルー』のマザファカを思い起こす爆笑シーンも登場。ビーチで遊んでいる高等遊民は全員サメかタコか恐竜に食われて死ね!という熱い監督魂を感じ取りましたわ。
(ベン・ウィートリーといえばトム・ヒルスドンのベランダ全裸日焼けが拝める『ハイ・ライズ』でございます)
そう、今回のKAIJUはMEGだけではございません。
『エイリアン2』方式で圧倒的物量増加であることに変わりはございませんが、MEGとステイサム以外のバケモンが出てまいります。
巨大タコと白亜紀から存在する両生類恐竜
彼らがキルスコアを非常に稼いでくださいました。
特に両生類恐竜は凶暴な歯と貪欲な狩猟本能によって、もはや『ジュラシック・パーク』じゃねえかと思わせる殺し方を披露します。陸に上がって洒落にならない噛み殺し方をしてくるので、MEGより嫌だと思ったくらいですわ。
ステイサムを放って繰り広げられる巨大タコとMEGの戦闘シーンは、「ああ、金のかかった『シャークトパス』を見ている…」と思った次第でございます。サメとタコを戦わせる必要があったのでしょうか?
わからんが画面は楽しい…?
MEG三匹の面がヤクザ並みにボロボロで笑う
ウー・ジンを釣り餌と認識しているかもしれないハイチ以外の、海底で出会ったMEGが三匹ともヤクザ並みの面のボロボロさで笑ってしまいましたわ。
怪獣にも善玉を輝かせるために悪玉はそれらしい顔つきをしなくてはいけませんのね。
人の形をした人外ザ・ステイサム串刺し
前作はMEGの腹を切り開いて始末するステイサムカッターを披露したステイサム。
今回は3匹に対し、爆弾を括り付けた手製の銛をジェットスキーでMEGの頭部にぶっ刺すことで仕留めようとしておりました。
それだけでも人外ではございますが、撒餌の妨害により銛が海中へ落下!
最後の一匹をヘリコプターのヘリ部分を口内から脳天へ、たったひとりの腕力で突き刺すステイサムはもはや『ランペイジ 巨獣大乱闘』におけるドウェイン・ジョンソンと同列の怪獣でございました。
そろそろおふたりにはGODZILLAかKINGKONGと怪獣の王の座を争っていただきたい次第です。
そろそろ今作のまとめ
MEGの住まう海底と地上は冷たい海水帯によって閉ざされておりますが、今回は『パシフィック・リム』よろしく、MEGが三匹以上も悠々と抜け出すことのできる程度の大きさの穴を人為的に海水帯に開けたことで、ビーチで遊ぶクソッタレ遊民が餌となってしまったのでございます
つまり今回は人災と言ってしまっても宜しいでしょう。
今回の教訓:悪いことをしたら証拠隠滅を図るのはやめましょう
出資した研究所の備品を勝手に用い、海底プレートにてレアアースを無許可で採掘。バレたら作業中の人員も顧みず爆破で証拠隠滅。その結果引き起こされたのは海底破壊と海水帯の一時的な交流、そして未曾有の人災でございます。
金儲けのことしか考えていない悪役の面々ゆえに、眼の前を取り繕うことしか考えず、自分が起こした結果が何をもたらすかまで想像できない。それでも今この最悪から逃れられるのであれば、どのような手段を使っても取り繕うとする。
私達に必要なのは巨大タコ足に噛みつくヨークシャーテリアのような、最善に向けた努力を重ねることでございましょう。
今回も良い学びを得たところで、わたくしは今月のクレカ請求費を確認しに参りますわね…。