更新が滞っている！それというのもこのコーナーは新作映画やリバイバル上映作などの一行感想を書くコーナー、しかしここ数週間というもの行動範囲内の名画座の上映ラインナップがいずれも必見クラス、加えてウンリケ・オッティンガーやイ・チャンドン、ジョン・カサヴェテスなどの名監督たちの回顧特集上映が都心ミニシアターで同時多発的に組まれ、更には第四世界やカナザワ映画祭といった映画祭も相次いで始まってしまい、新作を見ている余裕が全然ない！そんな中でどうにか時間を作って見てきた新作・新規公開映画10本魂の一行レビューを、どうぞ！！！

オオカミの家

カルト教団に心を壊された少女の内面を常に変容し続ける画面で描くサイコホラー異形作！

骨

少女が骨と黒魔術で遊ぶフェイク設定の禍々しいサイレント映画！『オオカミの家』の併映作！

あしたの少女

労働問題から始まる人間社会の普遍的な罪にまで到達する骨太ミステリー！覚悟必要だが面白いぞ！

夜が明けたら、いちばんに君に会いに行く

おそらく史上初のプロデューサー、原作、脚本、監督すべて女性のキラキラ映画！新鮮！

アステロイド・シティ

映画館で見るウェス・アンダーソン展覧会の如し！

悪魔の追跡　4Kデジタル・リマスター版

休暇に訪れた中年夫婦たちが邪教集団に追われる！サスペンスもアクションも満点ラスト最高！

ブギーマン(2023)

流行りの要素全部乗せ的な幕の内弁当ホラー！これぞまさしくウェルメイド映画だ！

禁じられた遊び(2023)

中田秀夫の見世物趣味がフル発揮されたオカルト・エンタメ！バラバラ死体が動き生首が転がる！

戦慄怪奇ワールド　コワすぎ！

心霊フェイクドキュメンタリーと思わせておいてまさかの『プリキュア』等幼児向け映画展開に！

福田村事件

関東大震災後の朝鮮人虐殺の一幕「福田村事件」を多角的に抉る！この怖さは今のSNS社会にも！

清水崇は『忌怪島』と『ミンナのウタ』、中村義洋は『劇場版　ほんとにあった！呪いのビデオ100』、そして中田秀夫と白石晃士はそれぞれ『禁じられた遊び』と『戦慄怪奇ワールド　コワすぎ！』を発表した今年2023年はもしかするとＪホラー再興の年となるかもしれない。いずれも異なる方向から日本の恐怖を（※一作だけ違います）描いたこの4本、見比べてみるのも楽しい。海の向こうのホラーではやはりなんといってもミニシアター公開にも関わらず連日満席続きの『オオカミの家』『骨』が今見ておきたい話題作。多彩な表現方法には唸らされます。今見ておきたい映画といえば『あしたの少女』、『福田村事件』も必見クラス。いずれも実話に材を取った社会派映画で、ぜひとも他人事ではなく自分事として見て欲しいもの。というわけで今後も次々映画祭が始まり忙しいことこの上ないわけですがゴー・ファスト！