【たまに面白い映倫】第5報
〈このコーナーはたまに面白い映倫の年齢区分指定理由や文章表現などを紹介するコーナーです〉
今回は少し意外な理由でPG12指定とR18指定を食らってしまった映画を2本紹介したい。
ブレイキング・ニュース・イン・ユバ・カウンティ(原題)BREAKING NEWS IN YUBA COUNTY
主婦のスー・バトンズは夫からも周囲からも蔑ろにされていた。ある日、浮気中のモーテルで腹上死した夫を「何者かに拉致された」と嘘をついて一躍、ニュースで時の人となるが……。ダークコメディ。描写は間接的ではあるが多くの殺傷流血がみられる。親又は保護者の助言・指導があれば、12歳未満の年少者も観覧できます。(1時間36分)
https://www.eirin.jp/
これの注目ポイントは二点あり、一つは間接的な、ということはつまりゴア描写などはおそらく含まない画面外の殺傷描写が理由でPG12となってしまった点。「ブラックコメディ」ではなく「ダークコメディ」とあるからよほど酷いのだろうか。直接的な描写ではなく間接的な描写が指定理由になっているわけだからこれは個々の描写ではなく、どちらかといえばストーリー内容に対して映倫の待ったがかかった形と言え、ちょっと興味深い事例である。注目ポイントのもう一点は、「描写は間接的ではあるが多くの殺傷流血がみられる」という指定理由によってちょっとネタバレになってしまっている点。
デラカブ活動写真
DX(デラックス)歌舞伎町ミュージック劇場。通称デラカブが2019年6月末をもって閉館される。その一日の様子を16mフィルムで記録した、ドキュメンタリー。ストリップによる極めて刺激的な全裸の描写がみられ、標記区分に指定します。(30分)
https://www.eirin.jp/
こちらはドキュメンタリーには珍しく映倫年齢区分の最高峰、R18となった作品。「ストリップによる極めて刺激的な全裸の描写」という表現が味わい深い。ストリップ劇場には18歳未満は入場できないのでストリップを含めてその内情を捉えた作品が劇場同様に18歳未満は観覧不可となるのは順当だが、改めて「ストリップによる極めて刺激的な全裸の描写」などと書かれると、なにかハッとさせられるものがある。だって踊り子が一人で踊るストリップなんてよく考えたら健全そのもの、世の中にはヌードの描写がなくてもストリップよりもよほどエロティックであったり性的に不健全な内容を持った作品なんて山とあるわけで、そうした作品が直接的なヌード描写がないがために成人指定を受けないこともあれば、この作品のようにヌード描写が理由でR18になる作品もある。エロ規制とはなにか、と思わず考えさせられてしまうR18指定である。