【たまに面白い映倫】第18報 『僕が宇宙に行った理由』と『トランスフォーマー/ビースト覚醒』
〈このコーナーはたまに面白い映倫の年齢区分指定理由や文章表現などを紹介するコーナーです〉
今回は映倫が面白いというより作品そのものとか配給が面白い感じの2本です。
僕が宇宙に行った理由
民間の日本人として初めて国際宇宙ステーション(ISS)への渡航、滞在を果たした前澤友作への密着映像。ドキュメンタリー。(1時間28分)
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まず、映画でやるのかよという驚き。テレビのドキュメンタリーならまだ分からなくもないが、その内容を映画館で金払って客は見るのかよ。見るのか?いや、だって客じゃん。別に宇宙飛行士になったわけでも宇宙船作ったわけでもなくて高い金払って宇宙船に乗っただけの客じゃん。そりゃあ宇宙に行くには客とはいえ無重力訓練とか厳しい病気チェックとかメンタルトレーニングとか色々やらなきゃいけないのかもしれないけど、でも客じゃん。しかも金持ちの道楽で宇宙行く客じゃん。これが潜水艦事故みたいに前澤友作さんが宇宙行く途中にロケット爆破したみたいな事件があればそれはニュースバリューも映画バリューもあるとは思いますけど、全然普通に行って帰ってきてるわけだからそこにドキュメンタリー映画にするだけの価値はあるのか?逆に、それを確かめるために見に行かなければない気がしてきた。前澤友作さん、無事に帰って来られたようでなによりです。
トランスフォーマー/ビースト覚醒
星を喰らう唯一絶対の悪ユニクロンが地球に迫るとき、太古の昔より眠りしビースト型トランスフォーマーたちが目覚める。そして求職中の青年ノア・ディアスは、シルバーのポルシェに擬態したオートボットのミラージュと出会う。VFXアクション。(2時間7分)
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このあらすじはおそらく『トランスフォーマー』シリーズの最新作として取り立てておかしいことが書いてあるわけではないの思うのだが、シリーズをほとんど見たことがないので、なんだかおかしく見えてちょっと笑ってしまった。だって「星を喰らう唯一絶対の悪ユニクロンが地球に迫るとき」といかにも物々しく始まるのにあらすじの後半は「そして求職中の青年ノア・ディアスは」って落差がありすぎる。いや無茶でしょう求職中の青年を「星を喰らう唯一絶対の悪」と戦わせるのは。ハリウッド映画ではそこらへんの大学生が地球を救うことは間々あるとしても、学生はなにかその若さが無限の力を感じさせるので違和感がそれほどない。でもこっちは求職中の青年じゃないですか。履歴書とか失業手当の書類書いたりとかで結構いっぱいいっぱいだと思うんですよね。それは手加減してあげて欲しいですよ。
あとジャンルがSFアクションとかファンタジーアクションとかじゃなくて「VFXアクション」っていう。まぁそうでしょうけど随分思い切ったなっていうか、開き直ったなっていうか。でもそうか、『トランスフォーマー』が好きな人はCGを見に来るのか、ストーリーとか役者さんとかそういうのじゃなくて。今回もすごいCGが見られるんだと思います。