【たまに面白い映倫】第19報 『ロマンチック金銭感覚』と『日本で一番恐くない間取り』
今回は映倫の最新審査リストを見ていてなんだこれと思った映画を2本紹介。なおいずれも年齢指定なく全年齢対象の作品です。
ロマンチック金銭感覚
映画監督の麻悠と龍蔵夫婦は、いつもお金に困っていたが、地域通貨に関心を抱いた龍蔵は、麻悠を伴い発行地域に話を聞きに行く。ドラマ。(2時間)
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見てもいないのにそんなこと書いてごめんとは思うがものすごくあやしい。「いつもお金に困っていた」夫婦が地域通貨の発行地域に話を聞きに行くってそれ十中八九地域通貨で貧乏解消みたいなやつじゃん。地域通貨が悪いとは思わないし批評家の柄谷行人だって資本主義の諸問題を解決すべく地域通貨実験を行ってみたことだってあります(失敗に終わりましたが)。流行りの、とはさすがに言えなくなってきたビットコインだって中央銀行を通さない仕組みなので地域通貨の一つの形。地域通貨にはまだ世の中の問題を少しでも解決する可能性がある。それはわかる。それはわかるが・・・しかしあやしい。これまた申し訳ないのだが製作のクレジットは「まちのレコード」だそうでいやどこだよ!?と思わずにはいられない。タイトルのセンスもかなり独特であやしさに拍車を掛けている。これだけあやしいと怖い物見たさで気になってしまうので、お金をかけない宣伝としては成功しているのかもしれない。
日本で一番恐くない間取り
近未来日本。不景気は衰えを知らず、自殺・殺人・孤独死が蔓延して、事故物件が急増。国内唯一最後の無事故物件は、貧乏フリーター・山田のアパートを残すのみとなり……。ホラーコメディ。(1時間21分)
https://www.eirin.jp/
ははは、これは発想の勝利!とは実物を見ていないのでまだ言えないが、タイトルもあらすじも『事故物件 恐い間取り』のパロディ、でもこちらの方が目下のところ円安と物価高で庶民の生活が日に日に苦しくなっている現状を考えればリアルにコワイ話かもしれない。しかしジャンルがブラックコメディじゃなくてホラーコメディというのはどういうことだろうね。国内最後の無事故物件を舞台にしているということはオバケなんかは出なさそうに思えるが。それとも全国の事故物件住みオバケたちがお前の家も事故物件になれと襲いかかってきたりするのだろうか?ストーリーも気になるが、それ以上に『世にも奇妙な物語』にありそうな短編用の一発ネタで果たして1時間21分も保つのか、ということが気になる。