【たまに面白い映倫】第16報 『ヴァチカンのエクソシスト』ほか1本
〈このコーナーはたまに面白い映倫の年齢区分指定理由や文章表現などを紹介するコーナーです〉
それはちょっと話題作りを狙ってないかと言いたくなる斬新な映倫テキストを発見したので他1本と共にご紹介。どちらもPG12です。
裸のランチ[4Kレストア版]
1953年、ニューヨーク。害虫駆除員のウィリアム・リーは、駆除剤である除虫菊の中毒となって幻覚を観るようになり、謎の虫から「妻を殺せ」と指令を受ける。ドラマ。全篇にわたる薬物使用/中毒の描写および簡潔な性愛描写がみられるが、親又は保護者の助言・指導があれば、12歳未満の年少者も観覧できます。(※劇場再公開向け新版)(1時間56分)
https://www.eirin.jp/
最近の映倫は未成年の薬物使用の描写には比較的厳しい措置を取るのだが、これは最初から最後までずっとラリってるのにドラッグをやるのが大人だからかよい子も見られるPG12。子供がちょっとでもドラッグをやるのはダメだが大人がドラッグをやる分にはどれほど分量が多くてもまぁ別に構わないと言わんばかりの映倫の倫理は独特だ。それにしても「全篇にわたる薬物使用/中毒の描写」には何か呆れとも諦めともつかない担当者の感情が見え隠れするのは気のせいか。たしかに、いちいち指摘してたらキリがない映画ではある。
ヴァチカンのエクソシスト
1987年、スペインのカスティーリャ。先祖から受け継いだ古い修道院の修復に訪れていたアメリカ人一家の少年に強力な悪魔がとり憑いた。ローマ教皇は主席祓魔師のガブリエーレ・アモルト神父を派遣する。ホラー/ドラマ。悪魔的流血を含む数々の恐怖演出がみられるが、親又は保護者の助言・指導があれば、12歳未満の年少者も観覧できます。(1時間43分)
https://www.eirin.jp/
見た瞬間声を上げて笑ってしまった。悪魔的流血!なんだよそれ!絶対担当者ちょっとふざけて書いてるじゃん!なになんかアリス・クーパーがライブでコウモリ食うみたいな・・・?どういうことなのかまず読んでもわからないし、悪魔的流血を目にした児童に対して助言や指導をしろと言われてもこれ保護者は何を言えばいいんだよ?でも助言と指導の必要な人は確かにいるからね。コンビニでバイトしてた時に高校時代に見た『エクソシスト』が怖くて中退したと話すオッサン客がいたもん。その因果関係は謎だけれども『エクソシスト』はあくまでもアメリカの悪魔の話で日本に悪魔はいないから関係ないぞと言ってあげる人がいればオッサンの人生も少し変わったかもしれないな。首が回るのは悪魔だからで人間の首は回らないとか。悪魔的流血を目にしてショックを受けたお子様がいらっしゃいましたら保護者の方はこれは人間的流血ではなくあくまでも悪魔的流血だよとアドバイスしてあげてください。いやそういうことではたぶんないだろ!?