MOVIE TOYBOX

映画で遊ぶ人のためのウェブZINE

たまに面白い映倫

【たまに面白い映倫】第7報

〈このコーナーはたまに面白い映倫の年齢区分指定理由や文章表現などを紹介するコーナーです〉

そう面白いというわけではないのだが今回はちょっと興味をひかれた映倫テキストを二本。

女獄門帖 引き裂かれた尼僧

年季明けを喜んでいた女郎のおみのは、くら替えを強要されて、足抜けし命からがら逃げだした。追手に追われながら縁切寺・愁月院にたどり着いたおみのだったが……。官能時代劇。刺激の強い性愛描写、肉体損壊がみられ、標記区分に指定します。(※旧作の二次市場向け作品)(1時間9分)

https://www.eirin.jp/list/index.php

こちらは元々1977年に成人映画として公開された作品。内容に変更はないはずだが今回DVDの再発に伴ってか映倫再審査を出願した結果、従来の成人指定(R-18)からR-15に引き下げられたらしい。この他にも旧作ポルノ映画は何本も最近の映倫リストに載っていて、そのほとんどがR-15と年齢指定が緩くなっている。公開当時の基準では過激な性描写でも現在の基準で見れば大したことはないということだろう。SNSを見渡せば現在はエロの表現自主規制が強くなっているとしてこれを危惧する人々が一定数いる。その主張が妥当性を持つ分野もあるのかもしれないが、少なくとも映画に関して言うなら世間の流れはむしろ逆であって、エロ表現は昔よりも過激に、かつ自主規制も緩くなっていることがこの例からはわかるのではないだろうか。なお『女獄門帖 引き裂かれた尼僧』はグラン・ギニョル趣味とオカルトと『悪魔のいけにえ』とフェミニズム(?)が混然一体となったオモシロ怪作なのでまだ見てない人は必見。

パラフィリア・サークル

彗星のようなデビューから15年、以降は鳴かず飛ばずの純文学作家・玉川健斗は、心機一転、売れるサスペンス小説を書くため、とある男から「殺人の体験談」を聞くことに……。サスペンス。描写は間接的ではあるが、異常心理による連続殺人が描かれている。親又は保護者の助言・指導があれば、12歳未満の年少者も観覧できます。(1時間31分)

https://www.eirin.jp/list/index.php

こちらはPG-12指定の作品。以前も別のタイトルで同じ指定理由を取り上げたような気がするのでネタ被りの可能性もあるが、「異常心理による連続殺人が描かれている」という指定理由はやはり面白いところで、じゃあ異常心理によらない強盗殺人とかひき逃げとかの殺人だったらいいのかよ?と素朴に思ってしまう。それにしてもこの「親又は保護者の助言・指導」って具体的に何を言えばいいのだろうか。異常心理による殺人とはおそらく快楽殺人のことなのだろうが、そうせざるを得ない理由があってやむを得ず殺すのなら仕方がないが自分が気持ちよくなるために人を殺すのはよくない・・・とか?

返信する

メールアドレスが公開されることはありません。 が付いている欄は必須項目です