【映画で解決!捏造お悩み相談室】第6回 Q「運動会に行きたくない・・・」
悩み事の尽きない現代社会を生きるのは大変なことです。ことにその悩みを打ち明ける相手がいない、打ち明けても有効な解決策が出てこないという場合は尚のこと。でも大丈夫、そんなあなたのお悩み、きっと映画が解決します!
ゲッゲッ、ゲッゲッゲッのゲ~・・・助けて下さい。毎日毎日運動会・・・確かにおばけにゃ学校はないし試験もないかもしれません。しかし毎日運動会があるのです。運動が苦手なわけではありません。むしろ得意とさえ言っていいでしょう。とくに河童の私に水泳で敵う妖怪などおりません。ぬりかべや一反木綿など池に入っただけで死にます。しかしですよ、問題は私が赤面症ということです。毎日毎日妖怪たちの視線を一身に集める運動会競技・・・こんなものは耐えられない!これなら毎日学校で勉強や試験をした方がよほどマシだ!どうにかしてください。
東京都不忍池 サンバの寛平
ゲゲゲの鬼太郎とは逆にオバケの世界から人間界へのお便りをありがとう!そうか~赤面症か~。その気持ち、わかる!何を隠そうこの俺も運動会は苦手だった・・・いや、運動会というより、大勢の観客の前で何かを披露しなければならない学校行事がすべて苦手だったね。普段の授業なら走るのも泳ぐのも歌を歌うのもツラくない。でもそれを観客の前で発表するとなると話は別。舞台に上がって大勢の人に見られると頭は真っ白、顔は真っ赤、身体がカチンコチンに固まっていつもなら難なくこなせることも全然できなくなってしまうんだ。だからサンバの寛平さんのお悩み、俺としても他人事ではないな!よし、ならこの映画を見てはどうだろう!
『風をつかまえた少年』!!!!
てめぇ甘えるんじゃねぇコノヤロー!世界にはな、そもそも運動会のない学校なんて無数にあるんだよ!いや、運動会だけじゃねぇ!校舎がないとか!電気がないとか!鉛筆がないとか!そんなの広い世界には当たり前にあるんだバカヤロー!なに運動会に行きたくない?行けるか行けないかの選択肢があるだけありがたく思え!なに運動会より学校に行きたい?行きたくたって行けねぇやつもいるんだ我慢しろ!我慢してお前はこの映画『風をつかまえた少年』を見ろ!
舞台は東アフリカの貧国マラウイの貧村。主人公の少年14歳は学校に通って真面目に勉強をしていたのだが、森林伐採の影響で生計手段の農業が壊滅、学費が払えなくなり教室から追い出されてしまう。学校に行けないどころか食うに事欠き生存すら危うい毎日。少年の父親や村の人々が絶望に沈む中、少年はこっそり使わせてもらった学校の図書室で風力発電の原理と仕組みを紹介した本と出会う。これさえあれば地下水を使った灌漑システムを畑に敷ける、畑がまた作物で潤えば学校にも行ける、そして村も救える!こうして少年の風力発電機開発計画がスタート、無謀に思えたその挑戦は着実に実り、少しずつ人々に希望を与えていくのだった。
2001年にマラウイを干ばつが襲った際の実話を基に、ハリウッド役者のキウェテル・イジョフォーが映画初監督に挑んだこの映画。ストーリーの良さもさることながらサバンナ地帯の広大な大地を見事に捉えた映像が美しく、幻想のように主人公の視界に入り込む土着宗教のマジックリアリズム的な浮遊感もまた素晴らしい。少年の父親役で自らも出演しているイジョフォーの演出はリアリズムと軽妙さを両立させた職人の手さばきで、娯楽でありながら社会の現実を見据え、楽しみながらも学びのある、監督デビュー作にして正統派の名作となっているのだから驚きだ。
運動会が苦手だから学校に行きたいというサンバの寛平さん!簡単に学校というけれども今まで学校も試験もなく運動会しかしてこなかった河童がいきなり学校デビューするのはきっと大変だ!『地獄先生ぬ~べ~』にも爆乳河童が小学校に編入してきて女子児童の衣服を剥ぐなどのトラブルを起こす回があったね!だからまずは『風をつかまえた少年』にならって図書館とか図書室に通ってみてはどうだろう!オバケの世界にもきっとなにかしらそれっぽい施設はあるはずだ!それでは、サバラ!
※質問は完全に捏造なので応募とかしてこないでください。