【博多ゾンビ紀行】第8回 人喰い宇宙人が作り出したゾンビをJAPANESE YAKUZA GIRLが日本刀で斬りまくる『クリーチャーズ 宇宙から来た食人族』
ゾンビ映画はホラーにおける人気ジャンルと言える、だがしかし常に何かしら新作が公開されているわけでは当然ない、そのため僕は常に新作ゾンビ映画に飢えていると言える(何せ今年はあのジャンル映画を大量公開する企画、未体験ゾーンにも一本もゾンビ映画がなかったのだ)
そんなところに新作ゾンビ映画が公開されたとしたら・・・?たとえ地雷っぽそうが速攻観に行く他なし!
というわけで観てきたぜ『クリーチャーズ 宇宙から来た食人族』!
この映画がどういう映画かと言うと、研究のため天文台に向かっていた大学生の元に、可愛いモンスター「マンピー」が墜落してくるが、そこにそのマンピーを狙う人喰いモンスター(人間をゾンビにする能力持ち)が襲いかかってきて・・・という映画だ
まず言わなければならないのは、この映画なんと103分もある
この時点で数多のB級…いやZ級映画を観てきた方なら少し嫌な予感がするだろう、当然僕も例外ではないのだが・・・
そしてこの予感は的中した。そう、この映画全体的にマッタリしているのだ!
序盤から挟まるやたら多いどうでもいいキャラのやたら長いどうでもいい会話!シンプルにそんな面白くない上に後のドラマの布石にもそんなならないのでマジで無駄なダラッとした会話はキマりきったZ級マニアなら逆にこれだよこれ!と逆に楽しめるくらい典型的だが僕はまだ普通の人間なのでやはりだるい。
このマッタリさは当然中盤や終盤、敵を目の前にしたピンチシーンにも襲いかかってくる。
さらに言えばストーリー展開は単調かつ強引めで納得いかない部分も多くある。別に尺稼ぎが必要なわけでもないはずなのに余分な筋が多く、このくだり脚本的にいる?となってしまうシーンが多いのは問題だろう。あとサスペンスも上手くないし演出は下手…と悪いところを挙げればキリなし
これらの点から一般的な視点では全く良い出来とは言えないし、全くオススメできない。
では全くダメな映画だったか?と言われると否!と言いたくなる映画ではあった。
まずモンスターたちの造形が面白い。このポップなデザインのエイリアンたちが時折手作り感満載の動きで、時折CGで襲いかかってくる様はそれだけで楽しいものだ。それにマスコット的キャラのマンピーは見た目から声まですごく可愛い。
そして(この手の映画にしては)サービス精神が満点なのも褒めたいところだ。まずエイリアンに加えてゾンビまで出してくるという闇鍋感が楽しいのは言うまでもない。それに加え先ほど「やたら多いどうでもいいキャラの〜」と述べたがそれは言い換えれば死ぬ要員の人間がやたら多いということになる。そして実際この映画の死体の数はかなり多い。それもなかなか趣向を凝らした死を見せてくれるから侮れない。
僕は映画を観る時、特にこのようなB級映画を観る時の基準として「一回でも今まで見たことのない死が出てきたらとりあえず他がダメでも許す」と言うものがあるのだが、この映画はそれをクリアする面白死があったので許す!
そしてそうやって死体となった後はゾンビとなり復活し、また豪快に血飛沫肉片撒き散らしてくれる血の袋になってくれる死体二毛作もあるのでお得!
何より特筆せねばならないのは主演のJAPANESE YAKUZA GIRLことアカネを演じた斎藤莉奈だ。
洋画に日本俳優が出演・・・と聞くと「脇役」「すぐ死ぬ」「カタコト」などというワードを連想する方が多いと思うし実際これは問題だと思うのだが、この映画に関してはちゃんと主演と呼べる活躍っぷりだったし、日本語もちゃんとしていた!そして日本刀でゾンビをぶち倒しまくる!やっぱゾンビには日本刀だね。
あと、とある男が明らかな一人芝居でモンスターに食われる演技をしてそれを他の大勢のキャラたちがワー!キャー!たいへーん!とか騒ぎまくりながら眺めるシーンがあるんだけど、なんというかこの映画の撮影めちゃくちゃ楽しかったんだろうなって思ったぜ。
そういうわけで基本的には酷いが、ここまで見どころはあれば僕的には十分であると言える映画だった。もし配信等が始まった際に興味があれば自己責任で観てみるのもいいかもしれない。