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特集

【ハロウィン特集2022】ハロウィンにゾンビは存在しないのか?今こそ観たい、変わり種ハロウィン×ゾンビ映画特集!

どうもこんにちは、ハカタです。
今回は特別企画なので簡単に自己紹介させてもらうと、僕はこのサイトでゾンビもの限定でさまざまな映画を紹介する文章を書いている人間です。(ゾンビもの以外だと長文が書けないため)

さて今回はハロウィン特集。ハロウィンと言えば仮装・・・モンスター・・・そして何と言ってもゾンビ!なのでこのハロウィン映画特集の話が来た時はもうこんなん僕の独壇場じゃねえか!とウキウキだったのだが、さて何について書こうかと考えを巡らせ始めた瞬間あることに気づく

『あれ?ハロウィン舞台のゾンビ映画って・・・ない?』

そう、全然ないんだよハロウィンのゾンビ映画。相性良さそうなのに。バカなパリピがハロウィンパーティでゾンビに向かって「うわ!お前の仮装めっちゃリアルじゃんwウケるw」って言った次の瞬間喰われるみたいなシーン絶対観たことあるはずなのに、ほとんど無い!

これはいったい何故なのか?
ということを考えたときに思いつくのは「子ども」・・・ホラー映画とはいえ子どもの残酷なシーンはあまり観客も観てて気分が良くないのか、避けるかあるいは描くとしてもボカす傾向にあるように思う。(もちろんそういうのガン無視する映画も多いけど少ない)そしてハロウィンは基本的に子どものための祭りだ。そうなるとこのゾンビとハロウィンは相性が良さそうで良くない・・・ということになる。
それにゾンビは人間社会の全てを破壊する存在だ。法律、秩序、権威・・・そして季節のイベントもその例外ではない。となればゾンビの前ではハロウィンもクソもなくなる。

しかし本当に存在しないのだろうか?やたらと広い(本当に広い)ゾンビ映画の世界、その中に本当にハロウィンゾンビは全く無いのだろうか?
と思い、調査した結果、いくつかのハロウィン×ゾンビ映画を発見することができた。
ようやく本題だが今回はそんないくつかのハロウィンゾンビ映画についてレビューしていこうと思う。

(ちなみに今回は長編映画かつ、DVDなど視聴手段が容易にあるものに限らせてもらった。)

『バタリアン5』

え?5なんてあったの?と言われてしまいそうなご長寿シリーズの(今んとこ)最終作。ゾンビ3みたいな謎邦題シリーズじゃないぞ!マジのシリーズ作品だぞ!そんな今作は実はハロウィンパーティーを舞台にしたゾンビパニックものだった!
ここまでさまざまな路線を模索してきたバタリアンシリーズ。恋愛ものにちょいシリアスSFものっぽいのに・・・ときて5は原点回帰のおバカコメディ路線だ。先ほど子供の残酷描写の話をしたが、バタリアン4で子供を無慈悲に喰い殺しているのでそこらへんの問題はこのシリーズにおいて心配する必要はない。

さて作品評価に入ると、話はガバガバにもほどがあるし演出は弛緩してるしゴアシーンはワンパだし・・・で色々ひどいが笑えるシーンも結構ある映画となっているぞ!

肝心のハロウィン要素だが、前述のパリピが云々とは少し違うとはいえゾンビをハロウィンの仮装だと勘違いするシーンもある。パーティー開催後のパニックパートではさまざまな仮装ゾンビが発生して画的に面白い。だから変わり種を観たい人にはオススメだろう。一応話としては4の続きだが、ガバガバすぎて4と辻褄が合わない部分が多いのでこれだけでもOK、というか観てない方が余計な混乱をせずに済むぜ(続きである意味は一体・・・)

観たものの徒労を体現させるようなシュールなラストは必見。間の長さが完璧である。ここに関しては4から続けて観た方が沁みるだろう・・・ 

ゾンビ度  ★★★★★(なんせ天下のバタリアンである)

ハロウィン度★★★        (Z級映画なので舞台設定はすぐどうでもよくなる)

作品評価  ★★            (面白くはない)

『ダニーと秘密の魔法使い』

2本目はアメリカのテレビ映画として制作された『ダニーと秘密の魔法使い』だ。
ちなみにこの映画のタイトルはDVDを出す際に用意されたものであって、実は日本でスターチャンネルで放送された際は全く違うタイトルだった、それが『僕とゾンビと秘密のハロウィン』

なんと!ドンピシャではないか!

これは観ないわけにはいかないと中古DVDを購入し鑑賞したぜ。

さて話はどんな感じかというと「とある事故の呪いによりハロウィンが禁止された町に住む主人公とその祖父、あるハロウィンの日に祖父が死んでしまうが呪いによってゾンビとなってしまい・・・」という話

さてこの映画、なんとあのBTTFのドクでお馴染みのクリストファー・ロイドがゾンビとして蘇る祖父役を演じている。ゾンビとなりイキイキとコミカルな演技をし、ピエロのコスプレをしたり両腕両脚が外れたりするクリストファー・ロイドは、いろんなゾンビを見たい人、変わり種を観たい人にはオススメだろう。

しかし映画としてどうかと言われるとこれは厳しい・・・まずやたらと要素過多だ。現在の主人公の友人との関係、父親の会社の取引、町の過去、主人公三世代の確執、父の恋愛、父と町の確執、そしてゾンビ・・・と色々な要素があるがさて二番目に出した要素はなんだったでしょう?んなもん分かるか!という感じで情報過多。
脚本の整理がうまくないので困惑が続くし、そしてこれらがうまくまとまるわけでもない。それに話の穴もでかい。結局主人公のドラマすらほとんど成り立ってないというのは問題だ。

ただハロウィンの街並みにゾンビが(人を喰わないタイプだけど)闊歩する絵面はまさにこれが欲しかったっ!という感じで楽しい。ゾンビメイクも子供向け映画らしくポップめだがかなり凝っている。そして何より「お、よく出来てるゾンビメイクじゃねえか」からの「ギャー!」の流れがあったのは嬉しい!(まあ喰わないんだけど)
なのでまあハロウィンゾンビがどうしても観たい!という人にはオススメかもしれない。

ゾンビ度  ★★★        (ゾンビはゾンビだが、人は喰わない)

ハロウィン度★★★★★(正真正銘ハロウィン映画だ)

作品評価  ★★            (面白くはない)

『モンスター・フェスティバル』

最後に紹介するのは『モンスター・フェスティバル』だ

この映画がどういう映画かというと「ハロウィンに行われる農場を貸し切った大規模なホラー映画フェス、そこにはゾンビや殺人鬼や吸血鬼など様々な仮装野郎たちがいたが、実はその仮装野郎たちは狂った支配人が集めたマジのモンスターどもで、フェスは阿鼻叫喚の地獄と化す・・・」という映画で、変わり種を観たい人にはオススメだろう(ところで皆様お気づきだろうか、このフレーズを3連続で使ってしまっているということを)
さて今作は舞台が非常に限定的な設定なので先ほど述べた子ども問題はクリアしているが果たして・・・

今作、何と言ってもホラー映画テーマパークが舞台なので、スラッシャー、SAW系、そしてゾンビとジェットコースターのように様々なジャンルを横断するのが面白い。
ゴアもなかなか力が入っていると言えるだろう。

そして最も特徴的なところはメタネタだろう。大のホラー映画マニアが作ったテーマパーク、という舞台でホラーあるあるを駆使して生き残っていく・・・という設定は面白い。

ただ一方そのあるあるに対する批評性というものがなく、単なるネタに終わってしまっているのが惜しい。例えば『キャビン』ではあるあるネタを観客の欲望による無言の要請だと、『カメラを止めるな』ではトラブルや妥協の末にできたものだと、それぞれのやり方であるあるを分析していたが今作にはそういったものはあんまない。ないからそこから脱する熱さも当然ない。
その大味さがドラマ部分にも影響を与え、やる気を失ったかつてのホラー映画俳優、頑固なホラー映画アンチ・・・などなど美味しくできそうな設定のキャラがたくさん出てくるが特に活かせず終わってしまう。ホラーの本質を語るシーンとかは良いのだけど・・・うーん。

あらゆるジャンルを横断するのも楽しいだが、一個一個のジャンルの考察の掘り下げが演出面においても作劇面においても足りず、途中で飽きてきてしまうのが正直なところだ。

ゾンビ度  ★★★        (人は喰うが、あんま出ない)

ハロウィン度★★            (ハロウィンの話だったっけ?仮装人間ばっか出てくるしまあいっか)

作品評価  ★★            (面白くは・・・ない!)

いかがだっただろうか?僕は今回3本のハロウィンゾンビ映画を紹介したが、もしかしたら他にもあるかもしれないし、うっかり忘れてしまっているものもあるかもしれない。なにせ「ハロウィン ゾンビ」で検索すればパリピのコスプレ画像が、「ハロウィン ゾンビ 映画」で検索しても某ロブ・ゾンビ監督の『ハロウィン』が無限に出てくるのでとても検索性が悪い!なのでもし取り逃がしているものがあれば容赦なく指摘してほしい。VHSのみなど視聴環境が難しいものでなければ観るので。

今回の記事のまとめ 「ハロウィンゾンビは変わり種を観たい人にはオススメだが、面白くはないものが多い」

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博多には行ったことがない パラッパラッパーで全ての感情を表すアカウント→ @goodbye_kitty3