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キャワグッチ企画書探検隊

【キャワグッチ企画書探検隊】第3回 日本を代表するミステリー映画にもマルチバース化の波が⁉『マルチバース・オブ・スケキヨ』の全貌に迫る‼

3月某日に旧事務所にロケット弾を撃ち込まれた、敵多きキャワグッチ探検隊。ただ事務所本部を移してからは敵の目から隠れる事に成功し、一歩ずつ再建の道を辿っていった…。

日夜大量に送られてくる企画書の一つ一つに目を通してゆく、キャワグッチ探検隊の面々。現代はSNS隆盛の時代もあってか、話題性ありきの提灯記事なようなものも少なくない。

「やはりどの時代も足を使った地道な調査が真実に近づく一歩だ。」

ブラインドの隙間から夕陽をじっと見つめる、隊長の瞳が燃えるように輝いていた。

そんな中、隊員の一人がチューリップハットを被った怪しげな男と遭遇した!その男から手渡された書類には『マルチバース・オブ・スケキヨ』の文字が!そう、それはかの有名な『犬神家の一族』の新作の企画書だったのだ!

MCUから始まったマルチバース化の大きな流れ。アカデミー賞作品賞を受賞した『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』など、マルチバースをテーマにした映画がハリウッドを席巻する中、日本でもマルチバース化ができる作品は無いかと各映画会社が頭を捻っていた。そんな中白羽の矢が立ったのは、何度も映画化・ドラマ化された推理小説の名作『犬神家の一族』だったのだ!角川映画のメディアミックスの先頭を走った『犬神家の一族(1976年)』が、新バージョンとともに日本のマルチバース化のトップランナーになる時代がついに来たのだ!探検隊が謎の男から入手した『マルチバース・オブ・スケキヨ』の企画書のストーリーはこうだ!

映画『マルチバース・オブ・スケキヨ(仮)』

<企画のテーマ・訴求ポイント>

現在ハリウッドではMCUを始めとして、魅力的なキャラクターたちが作品の垣根を越えて別のキャラクターの住む世界で活躍するという流れが主流となってきています。

昨今ではその流れに加え、ひとつのキャラクターが平行世界で生活する様々な「自分たち」と力を合わせて問題を解決する、「マルチバース」をテーマにした作品が増えています。

有名な作品だと『スパイダーマン スパイダーバース』(2018年)、『ドクター・ストレンジ/マルチバース・オブ・マッドネス』(2022年)。そして『スパイダーマン:ノー・ウェイ・ホーム』(2022年)では時代を超えた3人のスパイダーマンたちのアッセンブルが大きな話題となりました。また最近ではマルチバースをアジア系移民家族のドラマに組み込んだ『エブリシング・エブリウェア・オール・アット・ワンス』(2023年)がアカデミー賞作品賞を取った事が映画界に大きな驚きをもたらしました。

日本でも有名なミステリー小説を原作とした映画は時代を超えて何度もリメイクされており、その中でも横溝正史原作の『犬神家の一族』は、キャラクターのインパクトもあって映画にドラマに何度もリメイクされています。

今作では本来悲しい結末を辿るはずの覆面男スケキヨが、マルチバースのスケキヨたち、そして様々な金田一耕助たちの協力によって事件解決に動いていくという、時代を超えた夢の競演が一番の見どころとなっております。

<あらすじ with イメージキャスト>

亡くなった犬神家当主、犬神佐兵衛の遺言書を開示する場所に同席した金田一耕助(松坂桃李)。その場所に佐兵衛の長女、松子(松坂慶子)が息子スケキヨ(仲野太賀)を連れてくる。しかしスケキヨの姿にその場は騒然とする。復員兵として戻ってきたスケキヨは戦場で負った傷を隠すために、白いマスクを被っていたのだった。

遺言書を開封した結果、直接の血縁にはないはずの野々宮珠世(浜辺美波)に莫大な遺産が譲られる事になった事で、彼女をものにすべく犬神家の子息の間で醜悪な繰り広げられる。その最中第一の事件が起こるのだった。

犯人の思惑に気づいたスケキヨはこの事件を止めるべく、ポケットの中から人型をした石を取り出す。それは戦場で狼藉を働く上官から地元住民をかばった後、その土地のシャーマンから貰った石だった。同じ部隊にいた兵士は次々と亡くなっていったが、スケキヨだけは謎の石が放つ光に導かれてここまで生き延びてきたのだった。

スケキヨが石を握りながら願いを唱えると、石は光り出し、その光が真っすぐ夜空に向かって伸びた。その光の眩しさに思わず目をつぶったスケキヨがゆっくり目を開けると、そこに二つの人影が現れる。

それはマルチバースからやってきたメカスケキヨとアンドロイドの金田一・Kだったのだ。その後同じくマルチバースからやってきた、プロレスラーのような体格で皮サスペンダーをつけたムキムキスケキヨとボクシングが得意なイギリス人探偵キンダーと合流すると、ほぼ力技で事件を収束する事に成功する。

しかし、マルチバースの扉が開いてしまったことで同時に招かざる客もこの村を訪れることになった。

事件解決後に現れたのはマルチバースのアメリカからやって来た、あの有名なマスクマン(要交渉)。そして湖の淡水に適応した、白いマスクを被ったような模様の巨大人喰いザメ、スケキヨシャークが信州の長閑な村を襲うのだった。

壮絶な戦いの果てに…..(ここで企画書は何者かに引きちぎられている)

日本映画にもついにマルチバースの波がやってきたと思うと感慨深い。企画書を見る限り超えるハードルは高そうだが、この企画書の実現にぜひ期待したい。

引き続きキャワグッチ探検隊は失われた企画書を世界中で探していくことになる。読者の皆さんにも未発見の情報があれば是非キャワグッチ探検隊まで知らせてほしい!

ではまた会う日まで!さらばだ!

※この文章は一から十まで全てフィクションです。しかしこのフィクションを現実にするのはあなたかもしれない。

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