【シネマもぐもぐ略してシネもぐ】その4 新宿バルト9(T-JOY)のフードを食べ尽くす!
映画館フードといえばポップコーンというのはもはや過去の話、シネコン中心に現在の映画館飲食売店(コンセッション)では実に多彩なフードが売られ、さながらちょっとしたファストフード店の様相を呈しております。・・・足りなくはないか?映画館フードのレビューが、たべログのような飲食時の参考になる記事が、あまりにもインターネットに足りなくはないかッ!というわけでこちらシネマもぐもぐ略してシネもぐ、映画館フードを全メニュー食べて五つ星満点で採点・レビューするコーナーでございます(なお、コーラやカルピスなど、店舗オリジナルではない商品はレビュー対象外です。どこも基本は同じ味のはずですし)
新宿マルイアネックスが入っている新宿三丁目イーストビルの9~13階に位置する高層シネコンが新宿バルト9。新宿には松竹系の新宿ピカデリー、東宝系のTOHOシネマズ新宿、東急系の109シネマズプレミアム新宿と大手シネコンがひしめいているが、こちらバルト9は東映系(T-JOY)。どちらかといえば実用性を重視した内装になっている新宿ピカデリーやTOHOシネマズ新宿とは異なり壮麗なロビーが目を惹くバルト9は、コンセッションとは別にカフェを併設しており、都内のシネコンではおそらく唯一の深夜興行を常時行う、一般的なシネコンではまずかからない渋めのミリタリー映画を多く上映するなど、他社とは一線を画す独自路線を突き進んでいる。その傾向はコンセッションにも見られ、ドリンクは他のシネコンで一般的なコカ・コーラ系ではなくサントリー系のためコーラはペプシ、更にサイズ名まで一般的なS・M・LではなくK(KIDSの略らしい)・R・Lという異端っぷり。これはレビューのし甲斐がありそうです。では、食っていきましょう。モグモグ、ゴシャゴシャ、ビリブビャグゥン!
ポップコーン(塩/キャラメル)
価格 |
塩K:400円 塩R:500円 塩L:600円 キャラメルK:450円 キャラメルR:550円 キャラメルL:650円 ハーフ&ハーフ:650円 |
評価 ★★★ |
味は塩とキャラメルの二種類でバターがけは+50円となっているが、ノーマルの塩も薄くバターが練り込まれている。そのためバター大好き人間以外は追加バターなしが無難か。味は普通のシネコン型ポップコーンといった感じだが、多少マイルドな味付け。量はTOHOなどと比べると多少少なく感じられるが、このへんは個人差かもしれない。(さわだ) |
ホットドッグ
価格 |
570円 |
評価 ★★★★★ |
映画館のホットドッグでレタスが挟まっているのを初めて見た。といっても一枚だけなのであくまでも彩り程度なのだが、こうした細かな気配りは意外と嬉しい(レタスのないホットドッグは味気ないものだ)。味に関して言えばなんといっても特徴的なのは細長いソーセージではなく太いフランクフルトを使用している点で、このフランクフルトの存在感がパンズを食ってしまっている。その点でホットドッグとしての完成度には疑問符がつくものの、ボリューム満点でコストパフォーマンスも良好、目にも楽しい満足の出来る一品となっている。(さわだ) |
ナチョス(サルサ/アボカド/チリソース)
価格 |
500円 |
評価 ★★★★ |
一見分量が少ないが底の深い容器にぎっしり詰まって提供されるため見た目以上に量があり、体感的にはコンビニ等で売っている袋スナックのナチョスと同じくらい。特徴はソースが付いている点で、サルサとチリソースの他にアボカドという変わり種も。このソースが風味豊かでおいしく、量もしっかりあるので、味に変化をつけながら食べられるのはうれしいところ。(さわだ) |
三元豚ロースカツサンド
価格 |
570円 |
評価 ★★★★ |
チュリトスがシネコンに導入された際も衝撃的だったが、これもシネコンフードの概念を覆す衝撃的な代物。ここまで来たらもうおにぎりとか売り出してもおかしくはない。カツサンドとしてはそこまで個性の強いものではないが、チキンスティックやナチョスなどソースに拘るバルト9にあって例外的にソースに頼らず肉そのもののおいしさで勝負している点が、なんか潔くて好き。コンビニのロースカツサンドが400円ぐらいする今の時代なのでこの値段でこの量なら決して高くもない。(さわだ) |
フライドポテト/ベジポテ
価格 |
フライドポテト:470円 ベジポテ:550円 |
評価 ★★★ |
カリカリ系のフライドポテト。ナチョスと同じカップで提供されるので一見量が少なく見えるが結構食べ応えはある。 ただ塩味は強めなのでちょっと飽きが来るのが早く感じられる。ベジポテはフライドポテトに野菜の素揚げを加えたもの。野菜の種類はカボチャ、レンコン、インゲンにオニオンリング。どれもおいしいがおつまみ程度の分量なので、あくまでもフライドポテトの単調な味わいに変化をつけるためのものと割り切った方がいいが、普通のフライドポテトよりもオススメ。(さわだ) |
フレーバーポテト(醤油バター)
価格 |
520円 |
評価 ★★ |
別添のフレーバーをふりかけて袋の封を閉じ、ガシャガシャ振って味付けするタイプのフライドポテト。決してマズいわけではないのだが通常のポテトに+50円するほどの価値も見出せず、フライドポテトに何か足したいならベジポテの選択肢もあるため、あまりうまみはない(さわだ) |
チキンスティック(ジュラシックソルト/タルタルソース)
価格 |
600円 |
評価 ★★★★ |
映画を見ながらちょっとつまむものが基本のシネコンフードとは思えぬボリュームのチキンスティック。映画を見ながらゆっくり食べているためもあるだろうが、体感的にはコンビニのフライドチキン二枚分ぐらいに感じたので、ソースやソルトが付くことを考えればコストパフォーマンスは高い。ただし脂っこいので胃もたれ注意。(さわだ) |
ケイジャンチキン
価格 |
600円 |
評価 ★★★ |
鳥の唐揚げを甘辛ケイジャンソースでコーティングしたもの。こちらもチキンスティックよりは少ないもののシネコンフードとしては十分な一品料理に近いボリュームで、ケイジャンソースによる濃いめの味付けもあってゆっくり食べているとお腹いっぱいになってしまう。おいしいのだがご飯が欲しくなってしまうのが難点かもしれない。(さわだ) |
いももっち
価格 |
550円 |
評価 ★★ |
最近は一部コンビニでもホットスナックとして定着しつつある北海道の郷土料理「いももち」を油で揚げたもの。たこ焼きサイズの揚げいももちが10個ぐらい入っていて、バター味の粉末フレーバー付き。いももち自体はやや油分の多さが気になるもののほんのり甘くておいしいが、容器にフタが付いていないので粉末フレーバーをまんべんなくまぶすことが難しく、その点はちょっと困る。コンビニの揚げいももちはもう少し大きめのサイズ1個で100円ぐらいなので、食べながら映画を見たい感じはあまりしないが、コスパは以外と悪くない。(さわだ) |
おめかしポップコーン(キャラメルチェダー/ストロングチョコレート)
価格 |
700円 |
評価 ★★ |
現在シネコン各社が力を入れている高級ポップコーン。バルト9のこれは厚いコーティングと濃い味付けであることが多い他社の同種商品とは異なり、ポップコーンの風味や食感を残しつつ一風変わった味付けを施しているのが特長。キャラメルチェダーの方はキャラメルポップコーンとチーズポップコーンをミックスしたもので、甘いのとしょっぱいのが交互に来るのが面白い。チャックが付いているため食べ残しても持ち帰ることができるのも他社シネコン商品にはない利点だが、量は多くないのであまり残さないんじゃないかと思え、その利点を生かせているとは言いがたい。悪くはないがもうちょっと量がほしい(さわだ) |
チュリトス(シナモン/きなこ/チョコ)
価格 |
470円 |
評価 ★★ |
チュリトスというのは食品名ではなく商品名で、基本的にはチュロスと同じものらしいのだが、他シネコンで販売されているチュロスとは印象がかなり異なる。まず長い。これはおそらくシネコンチュロス最長ではないだろうか。そして硬い。チュロスといえば外はサクサク中はふんわりもしくはしっとりが一般的だが、このチュリトスは細長いだけあって外も中もサクサクというかザクザクであり、その食感はまるで歌舞伎揚げかおかきのよう。食べ応えがあるのは良いが、いささかクセが強すぎないか(さわだ) |
ソフトクリーム(プレミアムバニラ)
価格 |
400円 |
評価 ★★★★ |
バニラ味のソフトクリーム。カップで提供されたのでコーン大好き派としてちょっとガッカリしたがスプーンを差し込んだらカップの下半分はコーンフレークというパフェ構造でちょっと嬉しくなった。バニラソフトは濃厚な味わいでプレミアムを称するだけあり、サクサクのコーンフレークとはもちろん良相性。おいしいです。(さわだ) |
総評:コスパに優れ、当たり外れなし
実はつい先日気付いたのだが今回取り上げたメニューの半分くらいはどうも終売になってしまったらしい。他の映画館ではまず見られない独自路線のメニューばかりだったので残念だが、今度新メニューが追加されるかもしれないし、終売になったフードもリニューアルして再登場するかもしれないので、今後に期待しておこう。
2024年3月27日 追記:
こないだ行ったら終売になったかと思われたメニューが復活してたので単に品切れだったっぽい。
さて、一見してわかるとおりバルト9のフードは個性派揃い。シネコンフードといえばスナック的なものが多い中、バルト9のフードはきっちり「食事」という印象で、それは味付けの面でもボリュームの面でも言える。奇抜な見た目やアイデアで訴求するのではなく、カフェを併設している関係か一品一品料理としてしっかり作り込まれており、価格設定も良心的。そのため何を頼んでも当たり外れがないのは、バルト9コンセッション最大の強みと言えるんじゃないだろうか。
基本的に期間限定のため今回は取り上げていないが、主にアニメや特撮系の映画が公開される際にはオマケ付きのコラボドリンクも発売される。これは観客的にはドリンクというよりオマケが本体かもしれないが、いずれにしても他シネコンにはない独自路線が光るメニューだろう。宣伝の仕方が下手なのかなんかあんまりコンセが目立たないバルト9なのだが、ここで映画を見るならコンセに寄って損たぶんナシだ。てなわけでまた次の映画館でお会いしましょう。バイチャ!