【コーエン添田のワンサナポタイミン・ザ・幕】第7回 最近の西部劇アンテナ
『猿の惑星』
最近『猿の惑星』の一作目を初めて見た。確かにロケがめちゃくちゃ地球。
見ていたら当然のように「道具としての馬」が出てきて「おい」と思ったが、明け方の脱走を前に馬車が待機しているところや、主人公が馬に乗って海岸線を辿るところで「いいねえ」と思いもした。
最後の方、音楽がなかったので『教場』のサントラを流しておく。この曲は全ての恐怖のBGMにしたい。
『パリ、テキサス』
午前十時の映画祭でやっていた。これはもう「そう」と期待して見に行った。
まずテキサスだし。髭がすごいし。剃るし。
ブーツを強調するシーンもある。主人公が眠らないのは西部劇の何かと寝心地の悪そうな感じを狙ったのかもしれない。そして飛行機を嫌がる。彼と息子が宿の妙に広い一室で休憩をとる。2階建ての娼館のようなものも出てくる。
ところで主人公が息子を迎えに学校へ行くと、そこがジョン・カーペンターの『ハロウィン』に出てきた学校にそっくりだった。同じ場所なのだろうか。
『水深ゼロメートルから』
なんとなくポスターに惹かれて見た。
水のない砂だらけのプールで一人がうなだれ、一人が横たわり、もう一人が更衣室を抜けて入ってくる。そこが良かった。ポスターで強調されている青い空やタイトルの「水」の文字よりも、プールの壁の色褪せた感じや砂の厚みを見る映画だった。
思えばポスターに配置された人々の全身を見た時点で何か感じたのかもしれない。『シェーン』の喧嘩のシーンとかか?
上で挙げた場面は『シェーン』の家で、夫婦と子とシェーンの微妙な関係が表現されるところのようだったかもしれない。じゃあ誰がシェーンなんだ。先生か?
舞台から去ってタバコを咥えるあの先生は西部劇のヒーローだったのかもしれない。
プールを離れて、二人の学生がポカリを山ほど持って歩くところは『荒野の七人』の、墓場に向かってやけにゆったりと進んでいく場面や『続・夕陽のガンマン』の砂漠を延々と歩く場面のようだったかもしれない。
こうして「もうこんだけ書いたじゃん」と思いながら一応映画のことを一通り思い出そうとする時間が大変だ。