【博多ゾンビ紀行】2022年ゾンビ映画大決算!神映画からクソ映画まで全部レビュー!【後編】
どうもこんにちは。ハカタです。今回はタイトル通り前編に引き続き2022年のゾンビ映画を紹介していくぜ!とかなんとか言ってるけど2023年ももう半分以上終わっとる!
だってこの記事めんどくさいんだもん。観るのダルい、調べるのダルい、書くのダルい、の三重苦。まあ僕が始めた物語なので仕方がないね。
そういうことで早速紹介していくぜ。
前編はこちら→ https://movietoybox.com/archives/2023/03/19/1467/
ゾンビーズ・フロム・セクター9
★★★
監督 セウス・ロブ
主演 マヌーシュ
ゾンビ発生原因 放射線
ゾンビの種類 歩く
離縁した妻子のいる冴えない中年男性ブックウォーカーは友人とダラダラ暮らしていた。そんな彼の住む町に宇宙人が到来!それにより原発がメルトダウン!その結果ゾンビが蠢く世界に!果たしてブックウォーカーは世界を救えるのか!そしてやたら要素の多い設定はちゃんと活かされるのか!
低予算Z級映画にはさまざまな傾向がある。やたら森に行く、安っぽいニュース風モンタージュが入る、本当にやたらと森に行きたがるなどだ。そして忘れちゃいけないのが脈略よりも場面ごとのインパクト・・・要はゴア、要は死が優先されること、それによってストーリーがどうでも良くなること。今作はまさにその典型例とでも言うべき映画だ。長年共に生きてきた友人、死の危機に晒されている家族。そういった熱いドラマを生み出せる存在を殺す。それはもうあっけなく殺す。なぜか?それは画面に写す内臓と死体の数を増やすためだ!その意気や良し!しかしそんなことを繰り返せばあらゆる要素がどうでも良くなり観ててマッタリしてきてしまう!
しかし!このゴア描写への力の入れようは本気“マジ“だ。ドロドロ人体、内臓露出、四肢切断、全身真っ二つ・・・この退屈な話運びでさえその熱量が現れた物だと考えれば熱くなってくると言うもの・・・いややっぱちょっと見ててマッタリしちゃうけどまあ好感は持てるぜ!
video violence releasing様にてDVD/ブルーレイが発売
アンヒューマン
❌
監督 マーカス・ダンスタン
主演 ブリアンヌ・デュ
ゾンビ発生原因 薬品
ゾンビの種類 走る
遠足している高校生一行にゾンビが襲い掛かる。という話。
酷い。の一言に尽きる。
話は出来が悪く、穴が多い。ゴア微妙、スローウザい。主人公の魅力の無さが全体に響く。ツイストは最悪。
数ある映画の中でも最低ランクのつまらなさ。どの方面でも褒める言葉を見つけるのが難しい。構造とやろうとしていること自体の面白さはあるのだが・・・
とにかく色々言いたいことはあるが、簡単に言えばテーマ的にも作劇的にも驚異的に面白くないとあるどんでん返しのために、道中を「あえて」しょぼくつまらなくしているという最悪の映画で、まあとにかく酷い。
ホラー映画の「お約束」の持つ欺瞞性を突くのは良いが、テンションに全くついてけないカタルシス0のラストを観た時の冷めた気持ちはお約束の大事さを強く理解させるのみ
こういう話をやりたいなら主人公もアイツと同じようなスクールカーストに対する固定観念を持っていて、道中それとは違う側面に気付き偏見を改めていく…と言った流れにすべきな気がするが、結局ステレオタイプ的な浅い人間描写に終始しているため説得力ゼロ。要は批評ではなく単なる逆張りでしかないので一周回って大衆の論理の再放送になってしまっているのだ。
僕ら観客がアイツのような後ろ暗い欲望を持ちがちでそれをホラー映画に投影しがちなのも分かる。だからテーマと構造自体は悪くない。だからこそアイツの考えが単なる独りよがりな偏見である、と実感させるストーリー展開が必要だった。偏見通りマジで嫌なだけの奴ばっか出してどうするねん。
あと、B級映画の製作者はデス・プルーフのオマージュをしてはいけない法律を全世界で作ってほしい。
配信スルー。各種配信サイトにて配信中
ブラック・フライデー!
★★★★★
監督 ケイシー・テボ
主演 デヴォン・サワ イバナ・バケロ
ゾンビ発生原因 宇宙寄生虫
ゾンビの種類 走る
ある大型玩具店に落ちた生物から感染が広がる、というエイリアン系ゾンビもの。
今作の良いところは労働者の悲哀に満ちているところだ。チェーン店長だって一国一城の主なんだよ!というプライドと浅ましさが泣ける良作だ!
いや本当にどいつも低賃金労働者としての絶望とかプライドとかをそれぞれ持ってて泣ける。頑張った所で賃金的には意味のない労働。「臨時のつもりだった…」と言う8年勤続男は祝日に娘とも会えない。1日は長いが1年は短い。店長は「女は俺の冗談を絶対に笑い、クールな男も言うことを聞く」と語る…
そんでそのドラマが終盤までちゃんとストーリーに影響を与えるのが良い。凡作だとここら辺早々に霧散するからね。定番の人間同士の争い展開は日々の細かい不満の発露から生まれ、管理職だから説得出来るはず!とバケモンに向かう奴も出てくる
ゾンビ映画としては全体的に弛緩していたり行動原理がよく分からなかったり低予算さが垣間見えたりで過度な期待は禁物だが、全体的に定石をふんでいて良い
ゾンビメイクには力が入っているしゴアもしっかりある。最後にはモンスターもの的な面白さにもなるので満足。
ラストなんかは教室にテロリストが!みたいな妄想レベルのオチな気もするが、しかしこの設定でやられたらもうこちらもあったかい気持ちで観れるというものだ(にしたってあっけなさすぎ?
DVDスルー。他各種配信サイトで配信中
アホカリプス
★
監督 ウェイン・ハリー・ジョンソン・ジュニア
主演 ジェシー・レニック アレックス・ギャリック
ゾンビ発生原因 ウイルス
ゾンビの種類 歩き
ホッケーチームにゾンビが襲い掛かる。という話。
アホ邦題だなぁと思うでしょ?これ実は原題から「Ahockalypse」なんですよ!(hockeyとかけたシャレ?)なんたる奇跡!!!!
その奇跡が一番面白い。あとは面白くない。
ゾンビ映画における見どころの一つであり、品質を左右する大きな要素が一体一体のゾンビのメイクだが、今作ではそれを究極的に節約された状態がどういうものかを確認出来る。あまりにも安すぎてメイクも出来ないのでゾンビがただの変な歩き方の人。挙句の果てにCGで数をかさまし。せめて血糊は使ってくれ!
これはマジでめちゃくちゃしょうもない系の映画。観ててなんの感情もわいてこない。他の典型的Z級乱痴気騒ぎがそうであるように、ストーリーに意味はなく、おもしろ“げ”なシチュエーションコントがただつらつらと並んでいるような構成である
ただキャラに魅力がないわけではないし、氷上ゾンビアクションのシーンはまあ見たことのないものではあったし、ラストにここで予算使い切ったんだな…と思えるくらい気合入ったゴアが一瞬あるので、まあ許そう。
配信スルー。アマプラU-NEXT等で見放題配信中
マルナシドス
★★★★
監督 ハビエル・ルイス・カルデラ アルベルト・デ・トロ
主演 ミキ・エスパルべ アウラ・ガリード
ゾンビ発生原因 薬品
ゾンビの種類 走る
これはまともなゾンビ映画!!!!!
まともなゾンビ映画以上のものでは無い、しかしとにかく本当にどうしようもなく酷い最低Z級ゾンビ映画ばっかり観てたから、そのまともさが眩しくて心に沁みた…
ちゃんと最後までゾンビが出る!設定が途中で霧散しない!なんもない風景で尺稼がない!(ハードルが地下まで潜っている
スペイン内戦を舞台にしたナチスゾンビ映画。戦争ものと組み合わせているだけあってハードな雰囲気がある。西部劇的な雰囲気があるのも良いぜ。
話はとにかくオーソドックスだけど、一人一人のキャラ描写が丁寧なのが良くて、特にグッと来るのがその死に様!なのでキャラがどんどん死んでく後半は映画がどんどん良くなっていく。俺ならこう見せる!の気概がある
特に斬新という訳でも無いし捻ってるわけでも無いが、こう数多のゾンビ映画が生まれている中でちゃんとロメロ的ゾンビのルールに則って、その上でちょっと見たことないことをする。それって結構難しいことだと思うし、そういうシーンを求めてゾンビ映画を観まくっている部分がある。今作はそれをやろうとしているのが良い。
Netflixオリジナル配信作品
カーター
★★
監督 チョン・ビョンギル
主演 チュウォン
ゾンビ発生原因 ウイルス
ゾンビの種類 爆走(凶暴感染者系)
記憶喪失の男が目覚める、耳の装置か聞こえる謎の指令。自分が誰かも知らない男が世界を救うため立ち上がる。
全編ワンカットという1917スタイルの凶暴感染者系映画だが、もうなんというか狂っている。まず序盤からたまたま入った銭湯にいたヤクザ数十名を殺しまくるアクションが入る。もちろんワンカットで。ストーリー的には大して意味が無いシーンだが、尋常じゃない勢いで人間を殺しまくる。そんな感じのシーンが全編続く。ドーン・オブ・ザ・デッドとミッションインポッシブルとザ・レイドを足して割らないみたいな映画。
そんな凄い映画あるの!?と思われるかもしれないがしかしこうも全編見せ場だらけだと平坦に感じてつまらないんだよね。韓国映画界に力があることは感じさせるが、全部が凄いシーンで構成された映画は凄い映画ではない。の典型例だ。最近の韓国映画ってこういうの多い気がする。
それはそれととしてゾンビ映画マニアとして一番印象的だった場面は「俺が!この人間を!殺す!!!」という思いが強すぎて他の大量のゾンビをぶち殺してくれるゾンビが現れたシーンですね。殺意が強すぎて数の利が消滅!
Netflixオリジナル配信作品
ゾンビ・サステナブル
★★★
監督 キア・ローチ=ターナー
主演 ルーク・マッケンジー ジェイク・ライアン
ゾンビ発生原因 彗星
ゾンビの種類 走りまくり
彗星によって世界がゾンビまみれになってしまった映画『ゾンビマックス 怒りのデス・ゾンビ』の続編。相変わらず勢いの良さは健在で、ゾンビが燃料として使える設定も前作通り。(謎タイトルの由来はおそらくここ。)前作から少し時が進みゾンビを燃料とした生活が根付いてきた。ゾンビ自動車はもちろん、ゾンビ発電にゾンビ冷蔵庫、ゾンビ燃料によるゾンビ防止システムまで!まさにサステナブルな生活がスマートな語り口で描かれ、監督の相変わらずの手腕を再確認。
そして今作の最も大きな変化と言えばおそらく前作ではチラ見せだった特殊能力設定が全開で使われまくるという点だろう
半人間半ゾンビのハイブリッドゾンビとして世界を行脚し、クソ野郎どもの基地をぶち壊す!
アクションも工夫があり、熱いドラマも見応えがある。
だからまあ、合格点ではあると言えるだろう。
だが、個人的に少し受け入れ難いところがあったのも事実
ゾンビものである程度まともであるだけで個人的にはもう感謝感謝としか言いようが無いし、ゾンビものに対して寛容なので人間同士の争い展開が増えるのも全然許せるのだが、しかしゾンビが脅威でなくギミックと化してしまうような作品はやはり少しどうかと思ってしまうのだ…
ゾンビ映画における「人間同士の争い」「本当に怖いのは人間展開」「静かな人間ドラマ」等は個人的に全然許せるのだが、それが許せるのはあくまでゾンビの脅威がこれらの展開の背景にあるんだろうなと感じられる、つまりジャンル特有の何かを感じられるからだ。しかし、そこでゾンビが脅威ですら無くなってしまうと少し厳しい。
今作で言えばやはり妹の能力があまりにも強すぎるという問題があるだろう。ゾンビはすぐに操ってしまうのでほとんど脅威にならず人間同士の争いの道具へと陥ってしまう・・・これが僕的にはツラい!
これは新感染半島でも感じた欠点だった。ゾンビ世界にある程度適合した世紀末世界を描こうとするとどうしてもこうなってしまうのかもしれない・・・(やはりランドオブザデッドは偉大?
だから中盤から出来の良さは感じつつもどうでも良さも感じてしまったのは否定できない事実だ。しかし面白いには面白い映画だと思うので前作が好きだった人は観ても損はないだろう。
シッチェス映画祭特集上映にて劇場公開。現在各種配信サイトで配信中
ザ・バーン
★
監督 マット・ブロア
主演 ケン・サミュエル オレガン
ゾンビ発生原因 ウイルス
ゾンビの種類 歩き
まいったな…クソなのはもちろんだがそもそもストーリーが理解できなかった
新しいゾンビ映画を作りたいなあ…そうだ!サスペンスと組み合わせよう!と要らん要素を膨らませた結果双方の要素の必要性が分からなくなり、ついには映画の存在自体の必要性が…
僕の読解力の問題もあるだろうが、そもそも恐ろしくつまらないので集中力が持続せず観ててすぐに(明日の昼は牛メシにしようかなぁ…)などと考えてしまう、そのため尚更意味不明になる悪循環。2回に分けて観たのも良くなかった。時間置いて後半見始めた頃には前半の内容など脳みそから全部消えていたのである
911やアメリカ国旗など風刺を思わせる要素“だけは”多い。その意味深な内容は考察班が欲しくなるが、そもそも誰も観ていないので望み薄だろう。そもそも僕は本当に90分もこの映画を観たのだろうか?3分ぐらいしかこの映画の記憶がない。時間泥棒というがそれよりむしろ時間消滅機と言った方が近いのでは無いだろうか。
ちなみに今作はitn distribution製だ、これはアサイラムなんて比にならないレベルのクソ映画製造会社で、映画を再生し始めてこのロゴが出てきた瞬間に大きなため息をつくZ級映画マニアは多い。
この会社の出す映画は面白いかつまらないかの賭けではない、映画として成立しているか成立していないかの賭けだ。そしてこの『ザ・バーン』はまさに成立していない方の目が出た映画のうちの一本である。
配信スルー。各種配信サイトで見放題配信中。
ネオン・デッド
★★★
監督 トリー・ハース
主演 マリー・バーカー グレッグ・ギャリソン ディラン・シェッティーナ
ゾンビ発生原因
ゾンビの種類
求職中女子が朝起きるとキッチンにバケモンがいた!そこでレンタルビデオ店員兼ゴーストバスターズなに協力を求める!
日常とゾンビが結びついた冒頭部分や面白いキャラクターに期待が高まったが、ここで油断してはならない。Z級映画はどうなるかわからない。結果を言えばこの油断しない精神のおかげで大きな失望からは逃れることができる映画だったと言える。日常的な要素は霧散し無駄にシリアスに、面白そうなキャラも消える。ここまでは典型的Z級。しかし、この映画嫌いではない。
今作のラスボスはゼイタックスという名前で、(税TAX?)(贅沢ッス?)となるような名前だが、このバケモンの動きがなんかヘンだな・・・と思ってよく見ると、なんとこれストップモーションであることに気づく。ストップモーション!令和に!着ぐるみモンスターですら珍しくなった時代にレイ・ハリーハウゼンスタイル!!!
ギター1本しか用意できなかったのか?ドラムとかベースは風邪ひいて休んだのか?と思わされる超安っぽい単調なギター音によるBGMが延々と流れていることに一旦気がついてしまえば気が狂いそうになること必至だし、小道具も凄いチープだし、舞台はずっと家だし、脚本も雑で上手くないしで全部安いのだが、その手作り感が終盤のストップモーションとかいうある意味究極の手作りにより全てが熱量として作品の勢いに昇華されるという奇跡が発生している!
勢いだけのラストはもうこいつらバカだ!と思わされるが僕はその熱量に完全にやられてしまったぜ!まともな映画ではないが嫌いでも無い映画だ。
配信スルー。各種配信サイトで有料レンタル配信中。(この記事に時間がかかった大きな理由の一つが、この面白いかどうかわからないZ級映画に500円払うのはなかなかに腰がひける行為であったことだ)
恋するボクとゾンビの呪い
監督 ジェイド・カストロ
主演 マーティン・エスクデーロ
ゾンビ発生原因 呪い?
ゾンビの種類 歩き
ごめんなさい これは存在自体は知っていたんだけど観ることが出来なかった。フィリピン発のゾンビコメディらしい
あらすじとしては、主人公のレミントンは幼少時にゲイを揶揄ったことで呪いをかけられる。その呪いとはゲイのようになってしまうことだった・・・ってそんなセクシャリティを呪いとして表現して良いのか!?となるがそれはそれとして15年後、主人公の住む町では殺人事件が発生。その事件は被害者の遺体がなぜかダイアナ・ロスのようになってしまうという奇妙な事件だった・・・呪いを解くべく動くレミントンだったが、ゾンビから追われる羽目になってしまう・・・という感じ。
意味がわからない。
劇場公開作品。現在配信なし
キャメラを止めるな
★★
監督 ミシェル・アザナヴィシウス
主演 ロマン・デュリス
ゾンビ発生原因 呪い
ゾンビの種類 歩く
オリジナルよりだいぶ劣化した作品だ。オリジナル版の何がよかったって序盤のゾンビ映画部分がホラー映画としてちゃんと成立していて、一般人でも「見れる」ものになっていたことだが、今作は撮影の点でも演技の点でも脚本の点でも大幅劣化。監督にホラー演出の才能がないかやる気がないか、とにかくネタ振りのためだけというオーラがプンプンしてる。特に腹痛マンがゾンビのいる外に強引に脱出するシーンに断末魔がないのとかダメダメだし、こういう細かいとこを言えばキリがない。ゾンビ映画への愛を一切感じないのがキツい
しかし一番良くないのは原作から大幅に「変えなかった」ことである。一応そこらへんメタ的にツッコミ入れてるけど、ツッコミで面白くなるわけでない。リメイク設定のせいで話が破綻しているようにも思う。後半の方では流石にアカデミー監督らしい面白い演出があったりするが・・・カンタン・デュピューやフィリップ・ラショーなどのジャンル映画適正のある監督ならどうだったろうかと考えずにはいられない映画である
劇場公開作品。各種配信サイトで配信中
まとめ(ゾンビ映画あるある)
いかがでしたか?これが今のところ僕が把握しているすべての2022年のゾンビ映画のレビューだ。
個人的なゾンビ映画オブザイヤーは、労働者の悲哀とゾンビの面白さを見事に融合させた『ブラック・フライデー』だ。
ゾンビ映画ファンの皆さんに今回の記事が参考になれば幸いである。
あと、この記事から漏れてるこんな2022年ゾンビ映画知ってるよーって人、そんな人はそのゾンビ映画を僕に絶対に教えないでください!!!!観なきゃいけなくなるから!!!!!!
最後に、ゾンビ映画あるあるを紹介したい。
1、やたら森へ行く
本当にめちゃくちゃ森へ行く。理由は明らか、安く撮れるためだろう。安く撮れる代償として画面が単調になるという副作用がある。しかしそれでも森へ行かざるを得ないのだろう・・・ゾンビ映画を観ることはつまり森を観ることなのだ。
2、安っぽいニュース風映像のモンタージュが入る
これもやたらと多い。それも冒頭に入れるものが多い。これもまあ理由は明らかで、世界観を簡単に説明することが出来るからだろう。いろいろあってゾンビ世界になりました・・・とそれなりのリアリティで示すことが出来る。しかしそれは非常に安直な演出である。できることなら世界観はちゃんと自分の映像で語るべきだし、日常からゾンビ世界へ変わっていく所は一番大事な部分だから手を抜くべきではないのだ。それにしてもこれ多すぎてゾンビ映画を何本も観ているうちで何度オバマ大統領の顔を見たか分からない。本物のニュースで見るより頻繁にゾンビ映画でオバマを見かける。
3、人間ドラマが霧散する
これはもう本当に厳しい気持ちになるあるあるだ。話の連続性が薄いのだ。なにかイベントAが起こったらそれがイベントBに繋がり、それがさらにCに繋がりAで提示した人間ドラマのフリが回収されDに繋がり・・・といった具合にすべてのイベントが必要性をもって数珠つなぎになっていくのがゾンビ映画の理想形だ。しかしZ級映画はAが起こり、それとは関係なく無からBが発生し、かと思えばキャラが死んだためAの要素が無意味になり・・・と脈略がない。つまりなくてもいいシーンしかないのだ。そうなる理由はゾンビーズ・フロム・セクター9で説明した通り、パッションゆえにそうなるものもある。だがほとんどは単にヘタクソだからだ。
Z級映画は、前半でぶち込まれた突飛な要素が生かされるかどうかがゾンビよりも人間よりも一番ヒヤヒヤするし怖いのだ。
僕はこういったゾンビ映画あるあると向き合いながらまた今年もゾンビ映画を観まくる予定だ。しかしこんなことがいつまでもつづくだろうか?いつかそんなことができる体力など消えてしまうのではないだろうか?そんな不安を抱えながら今日もまたあたらしいゾンビ映画を探していくのだ・・・